芝浦機械(旧東芝機械)は、「新生『芝浦機械』長期ビジョン2030」を発表した。グローバル製造業が直面するメガトレンドに卓越した技術革新で応え、社会的課題の解決と企業価値向上を目指す。
芝浦機械(旧東芝機械)は2020年3月5日、「新生『芝浦機械』長期ビジョン2030」(長期ビジョン)を策定したと発表した。グローバル製造業が直面するメガトレンドに卓越した技術革新で応え、社会的課題の解決と企業価値向上を両立することを目指す。
同社は、同年4月1日に社名を「芝浦機械」に変更した。長期ビジョンは「事業ポートフォリオ戦略(注力領域、縮小、撤退領域の明確化)」「新規<モノ+コト>ビジネスによる収益性向上、収益機会拡大」「海外売上の拡大」「技術プラットフォームを支える人財戦略」の4つの方向性を掲げる。
これまでは産業機械を単体で販売していたが、今後は「モノ+コト」の付加価値として、プロセス、ノウハウの収益化、自前主義の脱却、M&A強化により、メガトレンドである「気候変動と資源不足」「人口構造の変化」「テクノロジーの進歩」に応える。
経営改革プランとして掲げた目標値は、連結売上高1350億円、営業利益率8.0%、ROE8.5%、成長投資300億円、配当総額150億円、配当性向40%目途だ。高収益企業への再生、資本政策、財務戦略の見直し、強化、経営資源の一元管理、脱自前主義により、長期ビジョンの達成を目指す。
事業ポートフォリオ戦略の全体方針は、「モノ売り」から「モノ+コト売り」に移行する。顧客の生産計画や資産効率向上、環境対応などの課題に応える。カンパニー別方針は、「コモディティ機」から「高付加価値機」へと発展させる。選択機種のデジタルトランスフォーメーションによる高付加価値化、成長市場、高付加価値ドメインへの積極投資を実施する。既存事業の拡大では温室効果ガス削減への貢献、新規事業の創出では表面構造制御による新たな機能付与を目指す。
新たな「モノ+コト」ビジネスによる収益性向上、収益機会拡大では、顧客全ての生産ステージでサービスを提供。また、生産ステージの初期段階から生産完了まで参画し、収益機会を拡大する。
また、海外売上比率の引き上げを狙う。工作機械カンパニーは、大型機、超精密加工機などの競争優位性を発揮できる分野に注力していく。人財戦略では、「R&Dセンター、生産センター」「産学連携」「高度プロフェッショナル人材の採用」を連携させていく。
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