椿本チエインは形状や色などで商品の属性を自動的に判断するAI画像認識技術を開発した。世界最高水準の認識速度と精度を実現。AIベンチャーが開発に協力した。
椿本チエインは2020年3月5日、形状や色、模様から商品の属性を自動的に判別するAI(人工知能)画像認識技術を開発したことを発表した。AIの画像認識速度は0.15秒以下、認識率は98.55%、判別結果の正解率は99.99%を達成した。実証実験を終えた後、2021年度中に販売開始予定。
技術開発はAIベンチャー企業のEAGLYS(イーグリス)と共同で行った。EAGLYSのコア技術であるAIアルゴリズム設計技術と秘密計算技術をベースに、画像データのノイズ除去処理や独自の深層学習技術などを活用することで、高速かつ高精度の画像認識技術を実現したという。
主な用途としては物流センターでの導入を想定する。日用雑貨品や食品など形状や大きさの異なるさまざまな商品を撮影し、AIに認識させることで、商品情報を正確かつ高速に判別できる。商品のバーコードを手入力する手間を削減する上、読み取りエラーといった問題の解消にもつながるため、次工程への搬送処理の自動化や無人化を実現できる可能性がある。
また今後は生産工場でのパーツ判別や、農作物の種類の判別、建築用部材のピッキングアシストといった領域で活用可能なAIを開発していく予定だという。
物流業界では現在、EC市場の拡大を背景に業務量が増加傾向にあり、入荷から梱包までの各工程における省人化、無人化ニーズが高まっている、特に倉庫内でのピッキング作業の効率化が求められていることから、椿本チエインは今回開発したAI画像認識技術でこうしたニーズの取り込みを狙っている。
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