小型移動機器ベンチャーのCuboRexは、「日本ものづくりワールド 2020」(会期:2020年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第24回機械要素技術展(M-Tech)」に出展したエフ・アイ・ティーブースに共同出展し、誰でも簡単に使えるクローラー動力ユニット「CuBase」を紹介した。
小型移動機器ベンチャーのCuboRexは、「日本ものづくりワールド 2020」(会期:2020年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第24回機械要素技術展(M-Tech)」に出展したエフ・アイ・ティーブースに共同出展し、誰でも簡単に使えるクローラー動力ユニット「CuBase」を紹介した。
CuboRexの代表取締役 CTOの寺嶋瑞仁氏はもともと災害対応ロボットの開発などに携わっていた経験があり、その経験を生かしてCuboRexを設立した。「災害対応ロボットなどで苦労するのは『移動』の領域だった。環境によって移動できる状況が異なり、これらに対応するだけで搭載する本来のロボットの開発に手が回らないような状況が生まれていた。そこで『移動』に汎用的に対応できる仕組みが作れないか考えた」と寺嶋氏は「CuBase」の開発の動機について語っている。
「CuBase」は、出力30WのDC12V駆動ブラシモーターを搭載し20kgの可搬能力を持つ。全長419×全幅119×全高106mm、重量は3.5kgで、無限軌道により農地やがれき地帯のように障害物のある環境でも移動が可能な構造となっている。アルミフレームを用いていることで自由度の高いフレームワークを可能としている。動力機構を内蔵し、複数の「CuBase」の連結や追加フレームの増設などが簡単に行える。
さらに、他の機構と組み合わせることで、手動操作による移動、遠隔操作による移動、近接検知による追従などの移動方式も設定できる。「CuBase」の価格は、組み立て済み製品は9万9800円(税別)、組み立てキットは9万円(税別)としている。
同社では、「CuBase」を組み立てキットとして販売するとともに、従来は自動化が難しかった領域での自動化提案を行っている。「従来のハードウェア開発では、要件定義から製品開発を行い実際に導入までは非常に長い期間が必要になる。われわれの強みは、試作とそれによるPoC(概念実証)がほぼ即日で行える点だ。『CuBase』による『移動』のモジュール化とともに、関連するソフトウェアなどもモジュール化しているために、すぐに試作が行える。効果が実証できたところをすぐに見つけることができ、製品開発に進むことができる。ある意味で『ハードウェアアジャイル開発』が行える」と寺嶋氏は語っている。利用用途としては現在は「農業が多い」(寺嶋氏)という。
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