パナソニックは「CES 2020」において、4K超の解像度でHDRに対応する「世界初」(同社)の眼鏡型VR(仮想現実)グラスを参考展示した。今後は、5G商用サービスの本格化に向けてさまざまな用途に応用できるよう開発を進めていくとしている。
パナソニックは2020年1月7日(現地時間)、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2020」(同年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)において、4K超の解像度でHDR(ハイダイナミックレンジ)に対応する「世界初」(同社)の眼鏡型VR(仮想現実)グラスを参考展示した。今後は、5G商用サービスの本格化に向けてさまざまな用途に応用できるよう開発を進めていくとしている。
この眼鏡型VRグラスは、VRヘッドセット向けデバイスを開発するKopin、3Mとの共同開発になる。Kopinとパナソニックが共同開発したマイクロ有機ELパネルにより、画素境界が網目のように見える「スクリーンドア効果」の発生を抑え、自然で滑らかな映像を実現した。また、Kopin、3M、パナソニックの3社で新たに共同開発した光学モジュールを採用することで、ひずみを抑えた自然な映像を超単焦点で表示しており、小型・軽量の眼鏡のような形状が可能になったという。
VRヘッドセットによる没入体験では、音響技術も重要になる。開発した眼鏡型VRグラスでは、磁性流体を用いたテクニクスブランド独自のダイナミック型ドライバーを採用することで振動板の正確なストロークを可能とし、超低歪再生を実現しているという。
次世代移動体通信技術である5Gで実現されるサービスとして、VRヘッドセットを用いたスポーツ観戦や旅行の疑似体験などが期待されている。しかし、没入感の高い疑似体験が可能になるような高画質で高音質のVRヘッドセットは本体が大型化し、ヘッドバンドで頭部に固定する必要があるなど、装着感に課題があった。パナソニックが開発した眼鏡型VRグラスは、本体の大型化をはじめとする装着感への課題を解決するものだ。
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