動く障害物も回避、AIを搭載した障害物回避型アームのアルゴリズムを開発人工知能ニュース

TRUST SMITHは、AIを使った障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功した。動く障害物を安全によけながら、目的物まで到達できる。製造業、農業、インフラ、サービス業など、さまざまな分野で省力化とコスト削減に貢献する。

» 2019年12月23日 08時30分 公開
[ITmedia]

 TRUST SMITHは2019年11月30日、AI(人工知能)を使った障害物回避型アームのアルゴリズム開発に成功したと発表した。動く障害物を安全によけながら、目的物まで到達できる。手作業によるピックアップ作業を自動化することで、製造業、農業、インフラ、サービス業など幅広い分野で、省力化とコスト削減に貢献する。

photo 障害物回避型アームを使った部品ピックアップイメージ(クリックで拡大) 出典:TRUST SMITH

 TRUST SMITHは、東京大学発のAIベンチャー。今回開発したアルゴリズムは、アームから見た空間内に存在する障害物を回避し、目的物へアプローチする。物体までの距離、相対速度または相対加速度を考慮して計算するため、障害物が動いても安全に回避しながら目的物まで到達できる。微分幾何学の理論の1つ「リーマン計量」に基づいて開発した。

 部品の分別や溶接、食品の調理工程、農作物の収穫時期判定と収穫、原油配管の超音波非破壊検査、商品の陳列、手荷物の搭載・取降など、幅広い用途での利用が想定される。これまで人の手に頼ってきた作業を支援し、ロボットによる自動化が期待できる。

photo 障害物回避型アームを使った農作物収穫イメージ(クリックで拡大) 出典:TRUST SMITH
photo アルゴリズムの拡張によるドローンの自動運転イメージ(クリックで拡大) 出典:TRUST SMITH

 また、このアルゴリズムを拡張すれば、従来のアーム型ロボットの機能向上が可能だ。他に、ドローンの自動運転技術にも適用できるとしている。

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