今回の共同研究は、ひとまず2019年12月~2020年3月の4カ月間という期間で行われる。直近の取り組みとしては、「人のスキル」「人の感情」をインプットとして、メタAIを活用して、「返球内容」をアウトプットとして返すまでとしているが、人の欲求や性格なども考慮した上で、多様なフィードバックの実現を目指していきたいとする。そして、未来のフォルフェウスでは「ラリーを通じて、プレイヤーがゾーンに入り込む、そんな体験ができるロボットにしていきたい」(八瀬氏)とし、こうした個別最適化されたインタラクション技術、人の心理状態に合わせた機械のフィードバック技術は、自動運転や介護、接客、診察といった社会のあらゆるシーンで有効になると強調した。
ゲームの世界を飛び出し、現実世界においてゲームAIを適用することに挑戦するスクウェア・エニックスとしては、「ゲームの世界はスクリーンを越えて、現実世界とオーバーラップして楽しむようなものも出始めている。このままゲームAIをゲームの世界に閉じ込めておくのではなく、より厳しい現実世界に広げていくことで、さらなる進化につなげていきたい。これからは個人を理解してサービス品質を高めるようなAI、その人に最適な体験を与えるようなAIが大きな潮流になっていくのではないか」(三宅氏)との思いがあるという。
一方、オムロンは、機械と人がともに高め合い成長し続ける融和のさらなる実現を目指し、フォルフェウスの進化を進めていくとし、「人と機械の未来の関係性を探求するプロジェクトとして、オープンイノベーションの考えの下、仲間を募り、探求のサイクルを回していきたい」(八瀬氏)との考えを示す。
なお、米国ラスベガスで2020年1月に開催される「CES 2020」において、今回の共同研究の成果の一部を組み込んだ、第6世代のフォルフェウスのお披露目があるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.