続いて、測定方法です。正確に測定するのであれば、3次元測定器を使用します。また、ダイヤルゲージによる測定も可能です。
定盤の上に、傾斜度を指定した(自在)角度定盤を配置し、その上に測定対象部品を置きます。ダイヤルゲージで指定面を満遍なく測定し、その最大値と最小値の最大差が傾斜度となります。角度定盤を設置する際、定盤とダイヤルゲージの面の調整には時間を要します。調整後、傾斜度の指定面をダイヤルゲージで測定していきます。測定箇所が面の場合、測定点が多くなるため、測定値に誤差が生じる可能性が大きくなります。また、角度定盤にうまく固定できない測定対象部品は、測定そのものが困難です。
穴軸線の傾斜度を測定する際は、マンドレルやピンゲージを使用します。
図9では、公差域にΦが入っています。公差域にΦがない場合、その公差域はデータムに対して理論的に正しい傾きに対しての平行2平面のことを示していますが、Φが入った場合の公差域は円筒領域を示すことになります。図9では、穴軸線はデータムBに平行で、データムAに対して理論的に正確な120度傾いたΦ0.05[mm]の円筒公差の領域に入っていることを示しています。穴軸線の傾斜度測定においてもマンドレルやピンゲージ、ダイヤルゲージによる測定が可能ですが、マンドレルを平行になるようセットするにはそれなりの調整時間が必要です。
ちなみに、測定全般にいえることですが、3次元測定器を使用することで、対象物のセッティングに要する時間が短縮でき、定盤に固定できない対象物でも正確に測定できます。
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