INDUSTRIAL-Xは、組み立て系やプロセス系の工場、物流倉庫、ビル向けに、ネットワークのグランドデザイン構築から各種フィールド領域のセキュリティシステムの実装、運用までのトータルセキュリティソリューションを提供する新会社「株式
INDUSTRIAL-X(以下、IX)は2019年11月18日、東京都内で会見を開き、組み立て系やプロセス系の工場、物流倉庫、ビル向けに、ネットワークのグランドデザイン構築から各種フィールド領域のセキュリティシステムの実装、運用までのトータルセキュリティソリューションを提供する新会社「株式会社INDUSTRIAL-X SECURITY(以下、IXS)」を設立したと発表した。
IXは、ウフルのCIO兼IoTイノベーションセンター所長を務める八子知礼氏※)が2019年4月に設立した企業。八子氏がウフルで活動を広げてきた、企業や地方自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進について、あらゆるリソースを最適かつワンストップで提供することを目的としており、同年11月6日に本格的な活動を始めたばかり。同氏は、当面はウフルで現職を継続しながらIXの事業も加速させていく考えだ。
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一方のIXSは、あらゆる産業のDX推進で懸念される制御系セキュリティのトータルソリューションの提供を目的としている。特に、組み立て工場などのFA(ファクトリーオートメーション)、プラントなどのPA(プロセスオートメーション)、物流倉庫などのLA(ロジスティクスオートメーション)、ビル制御システムなどのBA(ビルオートメーション)は、IoT(モノのインターネット)活用を進める上でセキュリティの確保が必要になっている。
そこでIXSは、製造と物流のスマート化を一貫サポートするファクトリービルダーコンソーシアムTeam Cross FA(以下、TXFA)※)との連携を重視する経営体制を構築した。TXFAの幹事企業である、オフィス エフエイ・コム 代表取締役の飯野英城氏と、FAプロダクツ 会長の天野眞也氏を取締役に迎えるとともに、IXS自身もTXFAの6社目の幹事企業として参画。これにより、セキュリティソリューションのコンサルティングから実装、運用に加え、プロジェクト全体のグランドデザインからシステムや機器の構想設計、デジタルファクトリーの実現によるモノづくり改革までをトータルで提供できる体制になるとしている。
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IXとIXSの代表取締役を務める八子氏は「IoTが実用段階に入りつつあるが、その動きをさらに前に進める上で重要な役割を果たすのがIoTセキュリティだ」と語る。IDCなどの調査によれば、DX市場は2019年を機に年率約20%で急成長へとシフトしつつある。その中で、IoTによる現場のリアルなデータの吸い上げは取り組みが進んでいるものの、それらのデータを基にAI(人工知能)などで解析した結果を用いて現場を自動で制御する取り組みについては「まだまだ十分ではない」(同氏)という。
その原因の一つになっているのがIoTセキュリティだ。八子氏は「IoTとAIを通じたDXが止まる理由には“DX・魔のデッドロック”がある。IXはこれを解決する包括的なサービスの提供を目指しているが、セキュリティについてはIX単独では不足していた」と、IXS設立の背景を説明する。
IXSでは、現時点であまりセキュリティ対策がなされていないMES(製造実行システム)以下のOT(制御技術)領域を主な対象として、多層防御のコンセプトを取り入れたセキュリティソリューションを提供していく。飯野氏は「自動化セルのような小さな塊でセキュリティを確保し、これらの塊をVPN(仮想プライベートネットワーク)でつなげていく。オフィス エフエイ・コムのパートナーであるシーメンスのセキュリティ製品を活用しながら、国内外3000の工場での経験を基にネットワーク/セキュリティのトータルソリューションを提供していく」と述べる。なお、セキュリティの状態を確認するための連続監視サービスの開発も進めており、併せて提供していきたい考えだ。
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