何かないか? といろいろと物色する中で、以前からバラしてみたいと思っていたものがあったのを思い出しました。PCなどに接続して使用する、外付けの光学ドライブです。
実は少し前に壊れてしまい、ディスクを読み込まなくなってしまったので、この機会に中身を確認してみたいと思います。
CDやDVD、Blu-rayディスクなどを読み込む光学ドライブは、PCやゲーム機、レコーダーなど、さまざまな機器に使われています。実はこの中にも、回転を直線運動に変える機構が隠されていました!
少し古い型式のものですが、開閉ボタンを押すとディスクを乗せるトレーが電動で出たり、入ったりします。
早速、中身を見てみましょう。まずは、トレーが出たり、入ったりする機構から確認していきます。ここにはラック&ピニオン機構が使われていました。図10のように、トレー自体にラックが成形されており、固定されたピニオンギアが正転/反転することで、トレー全体が出たり、入ったりします。トレー自体がラックの役割も担っているため部品点数が少なくて済み、かつラック側が可動する構造のため、モーターなどの駆動部品を一緒に動かす必要もなく、省スペース設計になっていることが分かります。
図10の画像だとピニオンギアは見えませんが、図11のイメージの通り、筐体内部に固定されたピニオンギアがあり、これが回転してトレー部を出し入れするようになっています。
トレーを取り外すとピニオンギアとモーターなどの機構部品が見えました(図12)。
また、今回の製品はディスクをトレーに置いてボタンを押すだけで、ユーザーがディスクを軸に固定する必要はありません。そのため、ディスクを乗せたトレーがただ戻るだけだと、ディスクを固定して回転させるための軸に干渉してしまい、トレーは閉まらないはずです。
実は、ここにもある機構が使われています。トレーが動く力を利用した「溝カム」です。この機構により、トレーが出ている状態のときは軸部分のユニットが完全に下がり、ディスクが干渉することなくトレーを戻すことができ、トレーが戻り切ったときにユニットが上がり、ディスクを固定します。
ここで登場した溝カムについては、また別の機会に詳しく紹介したいと思います。
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