マイクロソフトが「CEATEC 2019」の20周年記念特別基調講演に登壇。「Windows 10 IoT」などの組み込み機器向けOS製品群について、新たにインテリジェントエッジのデバイス基盤と位置付け「Windows for IoT」として推進していく方針を示した。
マイクロソフト(Microsoft)は、「CEATEC 2019」(2019年10月15〜18日、幕張メッセ)の20周年記念特別基調講演に登壇し、「Windows 10 IoT」などの組み込み機器向けOS製品群について、新たにインテリジェントエッジのデバイス基盤と位置付け「Windows for IoT」として推進していく方針を発表した。
Windows for IoTは、小規模なスマートデバイス向けの「Windows 10 IoT Core」、Windows 10 IoT Coreベースのスマートデバイスの商用化に必要なクラウドサービスをまとめた「Windows 10 IoT Core Serivices」、フル機能バージョンとなる「Windows 10 IoT Enterprise」、サーバ構築に対応する「Windows Server IoT 2019」から構成されている。
Windows for IoTの最大の特徴は、ロイヤリティーフリーのWindows 10 IoT Coreから、Windows Server IoT 2019に至るまで、10年間のサポートを提供していることだ。米国マイクロソフト パートナー・プログラム・マネジメントのイアン・レグロー(Ian LeGrow)氏は「組み込み機器向けOSで10年間のサポートを標準で提供している例は他にはない」と語る。
また、新たにWindows for IoTとして組み込み機器向けOSの製品ファミリーをひとまとめに再ブランド化することの訴求効果も大きい。「Windows 10は既に9億のデバイスで用いられており、組み込み機器でもWindows 10 IoTの採用は広がっている。今回発表したWindows for IoTは、小規模デバイスからサーバクラスまで幅広いソリューションに対応可能であり、顧客の要求に対して柔軟に対応したより良い提案ができるようになるだろう」(レグロー氏)という。
今回のWindows for IoTの発表では、NXP Semiconductorsの「i.MXファミリー」をベースとするWindows 10 IoT CoreのBSP(ボードサポートパッケージ)の一般発売も併せて発表された。Windows 10 IoTは、インテルやAMDなどx86ベースのプロセッサを用いるイメージが強いが、今後はi.MXファミリーをはじめとするArmプロセッサを用いた組み込み機器のサポートにも注力していく方針だ。
NXPジャパン 社長の原島弘明氏は「当社が注力する4つのエンドマーケットのうち、インダストリアル&IoTマーケットには約2万6000社のユーザーがおり、それらのユーザーにアプローチする上でWindows for IoTへの対応は大きな武器になる」と述べている。
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