2019年1月、デンマーク保健省、デンマーク広域圏連合(Denmark Regions)、デンマーク地方自治連合(Local Government Denmark)の3者は共同で、「2019〜2022年医療セクター・サイバー・情報セキュリティ戦略:強化されたサイバー・情報セキュリティの取り組み」を公表した(関連情報)。
デンマークの医療サービスは、世界中で最もデジタル化が進んでいる反面、さまざまなIoTデバイスがネットワーク接続された環境で医療データ利活用が拡大するにつれて、外部からのマルウェアによるサイバー攻撃、データ漏えいなどのリスクも次第に高まっている。このような状況から市民を保護することを目的として、医療分野を所管する中央行政機関、広域圏行政機関、基礎自治体が一体となって策定したのが、このデンマーク医療サイバー・情報セキュリティ戦略である。
本戦略では、図2に示す通り、6つの一般的なサイバー脅威を示している。
これらの脅威を踏まえた上で、「情報セキュリティ」と「サイバーセキュリティ」について、以下のように定義している。
情報セキュリティは、機密性、完全性、可用性に関して、情報をセキュアにするために利用される集約的手段の総称である。これには、セキュリティ業務の組織化、行動への影響、データ処理、サプライヤー管理、技術的セキュリティ手段が含まれる。
サイバーセキュリティには、外部ネットワーク/システムへの接続を介したデータやシステムへの攻撃の結果として発生するセキュリティ侵害に対する保護が含まれる。従って、サイバーセキュリティは、インターネットへの接続など、システム間のリンクにおける脆弱性に焦点を当てる。
そして、「市民のためのセキュリティ」について、サイバーセキュリティおよび情報セキュリティ双方に基づく取組だけが、自分の治療や医療データに関して安全と感じるための基盤を構築できるとしている。
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