三菱電機は2019年6月28日、スマートファクトリー「e-F@ctory」の推進を行うコミュニティー「e-F@ctoryアライアンス会」をインドに設立し、発足式を開催した。
三菱電機は2019年6月28日、スマートファクトリー「e-F@ctory」の推進を行うコミュニティー「e-F@ctoryアライアンス会」をインドに設立し、発足式を開催した。三菱電機では海外でのパートナー強化の姿勢を打ち出し、2018年から2019年にかけて「e-F@ctoryアライアンス会」の設立を重ねてきたが、今回のインドの設立により「新規のe-F@ctoryアライアンス会の設立は一段落となる」(三菱電機 執行役員 FA海外事業部長の清水則之氏)としている。
「e-F@ctory」は工場内で現場の情報とICTを結ぶ仕組みで、2003年から展開を開始。製造現場起点の情報を取得して生産性やコストの改善につなげる取り組みを進めてきた。ただ、こうした取り組みは1社だけで行うのが難しい。三菱電機では以前から「e-F@ctory」推進のためにソフトウェアパートナー、SIパートナー、機器パートナーを募り、最適なソリューションを実現する「e-F@ctoryアライアンス」を展開してきた。
海外展開にも積極的に取り組み、2008年に欧州、2009年に米国、2015年に中国で「e-F@ctoryアライアンス会」を設立。さらに2018年からはアジア地域のパートナー強化を進め、2018年に台湾、韓国、2019年にタイ、シンガポール、そして今回のインドで「e-F@ctoryアライアンス会」を設立した。
各地で「e-F@ctoryアライアンス会」を組織したことにより、現地のパートナー企業や導入件数なども大幅に拡大している。2018年初時点でe-F@ctoryアライアンスへの加盟企業は450社、システム導入実績7700件だったのに対し、2019年6月には700社、1万件以上のシステム導入へと急拡大した。
清水氏は「1年で急速に拡大した要因としては、新たなe-F@ctoryアライアンス会による活動と、中国におけるパートナーの拡大がある。スマート工場を目指しても導入するインテグレーターがいなければ実現できない。各地域でパートナーが増えてきたことでシステム導入の拡大にも拍車が掛かっている」と語る。
新たに開設したインドにおける「e-F@ctoryアライアンス会」は、まずは以前から取引のあったシステムインテグレーター、機器メーカー、ソフトウェア企業など約20社が参加。自動車、食品、医薬品、計装領域へのIoT提案を強化する。今後は、これらのパートナーシップを軸とし、産業用PC「MELIPCシリーズ」、リアルタイムデータアナライザーあんどの提案も広げていく方針だという。
インドにこのタイミングで「e-F@ctoryアライアンス会」を設立した理由について、清水氏は「インドでも『make in india』とする製造業振興政策がとられるようになり、製造の自動化ニーズが高まってきた。加えて、三菱電機は長らくインドでの存在感が非常に低かったが、ここ数年ブランディング強化などに取り組んできたことから、徐々に浸透が広がってきたため、パートナー会を設立しても機能すると考えた」と語る。
今後は2019年度中にまずインドでも50件の案件創出を目指す他、2020年度までに50社のパートナー獲得を目指す。清水氏は「アジアにおける新たなe-F@ctoryアライアンス会の設立はインドで一段落となる。パートナー数などの量はそれほど意識せずに、e-f@ctoryのコンセプトに共感してくれるパートナーを地道に伸ばしていきたい。そして、実際の導入案件を増やしていくということが今後重視する取り組みとなる」と述べている。
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