流体解析ソフトウェアは流れや熱の分布だけに限らず、さまざまな現象を解析できるのだが、今回は分かりやすい解析モデルを例に、その基本的な流れを解説する。
ここで扱う解析モデル(図3)は、パイプに水とお湯が流れ込んできて、途中で合流するというシンプルなものだ。
本連載では、現在筆者が利用可能な「scFLOW」(開発元:ソフトウェアクレイドル)と「SOLIDWORKS Flow Simulation」(開発元:ダッソー・システムズ)の2つのソフトウェアを用いて解析する。ちなみに、一口に流体解析ソフトウェアといっても、何をどのように解くのかは結構違いがあるのだが、そのことについてはまだ細かく触れずに、あくまでもソフトウェアのオペレーションの観点から解説を進めることにする。実のところ、解析を行う上で決めるべきものは、どのソフトウェアであっても同じように設定しなければならないため、基本的な操作は共通するものがある。
どちらのソフトウェアでも最初にやるのは「ふたをする」という操作だ。流体の流入口と流出口の全てにふたをする。scFLOWの場合はインポートした形状に対して、SOLIDWORKS Flow Simulationの場合は自身で作成した形状だが、どちらも新たに「ふた」というジオメトリを追加する。これによって、前述の解析領域も定まる。
この後の細かい手順は、scFLOWとSOLIDWORKS Flow Simulationで当然ながらいろいろと異なるが、「その流体が何なのか」は同じように定義しなければならない。ここでは「水」を定義する。
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