具体的には、SSAPは起業のノウハウと環境をオールインワンで提供し、アイデアを磨く「Ideation」、事業化を進める「Incubation」、販売する仕組みを作る「Marketing」、事業としてスケールさせる「Expansion」の4つのフェーズで支援する。
小田島氏は「新たな事業は紙切れ1枚から始まるようなことも多い。そういうアイデア段階から、事業化やスケーリングなどの段階まで、ソニーのリソースを活用しながら総合的に支援できるという点が特徴だ」とSSAPの特徴について述べている。
「Ideation」では、新規事業のアイデア発想を促すワークショップや事業構築力の向上を支援するトレーニング、オーディションの企画や運営支援などを行う。企業に対しては、新規事業を生み出す仕組み作りのコンサルテーションや支援なども行う。既にSSAPの拠点である「Creative Lounge」は年間1万人以上の利用者があり、ワークショップやトレーニングの参加者は5000人以上にもなるという。
小田島氏は「どんな事業も全てのきっかけは、思い付きの一言から始まる。その思い付きをいかに作るのか、そしてそれをどのように選別し、磨いていくのかということを支援する。こうした取り組みは属人的に進むものが多いが、仕組みとして整えてきた」と語る。
「Incubation」では、アイデアを形にし、事業を作り込んでいく支援を行う。SSAPではプロデューサー、ビジネスデザイン、技術戦略、マッチング、セールス&マーケティング、ECとクラウドファンディング、コミュニケーションと海外戦略、財務戦略、経営管理、品質、商品コンプライアンス、電気、ソフトウェア、プロダクト、商品企画、オペレーション、メカ、デザインというさまざまな職能を持つ「アクセラレーター」29人が常任で支援する体制を用意している。加えてソニー内でフルタイムではない支援を行うメンバーは100人程度参加しており「豊富なリソースを活用して事業を構築できる」(小田島氏)とする。
事業創出の手順などについても「wena wristやtoioで取り組んできた内容をテキスト化して、カリキュラムにしており、これをベースに事業化を進めることができる。また、これらの仕組みを各企業内に実装する支援なども行える」と小田島氏は述べる。さらに技術やデザインについてもソニーのリソースを活用可能。「デザイン部門にも外販機能が加わったので、製品デザインなどをソニーのデザイン部門に任せることなども可能だ」(小田島氏)とする。
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