ALANコンソーシアムが、水中で用いるLiDARや光無線通信、光無線給電などの技術開発や市場創出に向けた取り組みについて説明。2019〜2021年度の3年間をめどに、水中光無線技術の確立を目指す。
ALAN(Aqua Local Area Network:エーラン)コンソーシアムは2019年2月7日、東京都内で会見を開き、水中で用いるLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)や光無線通信、光無線給電などの技術開発や市場創出に向けた取り組みについて説明した。2019〜2021年度の3年間をめどに、水中光無線技術の確立を目指す。
電子情報技術産業協会(JEITA)の共創プログラム第1弾として採択された後、2018年6月に発足したALANコンソーシアムは、海中を代表とする水中環境(Aqua)をLAN(Local Area Network)と位置付け、音波や有線などの通信技術と住み分けながら、水中に最適な光無線技術の研究開発を進めることを目的としている。「日本は海に囲まれた海洋国家だが、海を産業化できているとは言い難い。当コンソーシアムでは、水中×光無線でその可能性を模索していく」(ALANコンソーシアム 運営委員で海洋研究開発機構 海洋工学センター 海洋基幹技術研究部 部長の吉田弘氏)という。
ALANコンソーシアムの代表は、光通信技術を手掛けるベンチャー企業のトリマティス 代表取締役 CEOの島田雄史氏が務める。会員としては、海洋研究開発機構、産業技術総合研究所、情報通信研究機構、千葉工業大学、東海大学、東京工業大学、東北大学、名城大学、山梨大学、早稲田大学、KDDI総合研究所、太陽誘電、電気興業、浜松ホトニクス、モバイルテクノが参加。現時点では企業会員が少ないが、今後複数社が参加する見込みである。
ALANコンソーシアムは、水中光無線技術の開発を行う優位性として、日本が島国であり世界有数の海洋国家であること、海中での光技術応用と青色LEDを挙げる。
これらの地理的、技術的優位性を背景に、現実的な実用化に向けた目標に掲げるのが「水中の可視化・水中の見える化」である。「アミューズメントや水中構造物検査、漁業の養殖、環境・災害調査などを中心に、水中の画像・映像化を求める市場は多数ある」(同コンソーシアム 運営委員で産業技術総合研究所 電子光技術研究部門 研究部門長の森雅彦氏)としている。
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