DSPとコントローラーの機能を備えた新しい汎用アーキテクチャ組み込み開発ニュース

CEVAは、DSPとコントローラーの2つの機能を備えた新しい汎用アーキテクチャ「CEVA-BX」を発表した。低消費電力で、DSPカーネルに求められる要件に対応可能なことから、自動車や産業機器分野におけるIoTデバイスへの利用が見込まれる。

» 2019年02月01日 07時00分 公開
[MONOist]

 CEVAは2019年1月4日、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)とコントローラーの2つの機能を備えた新しい汎用アーキテクチャ「CEVA-BX」を発表した。一部ユーザーには出荷を開始しており、一般向けのライセンスは同年第1四半期までに提供開始する予定だ。

 CEVA-BXは、11段のパイプラインと5ウェイのVLIWマイクロアーキテクチャを使用し、デュアルスカラコンピュートエンジンによる並列処理が可能だ。プロセスノードはTSMCの7nmを採用し、ロードやストア、プログラム制御を動作速度2GHzで実行する。

 また、標準的なC言語の全タイプに対応し、大規模直交汎用レジスタセット、分岐ターゲットバッファー(BTB)、ハードウェアループバッファー、メモリサブシステムなどを搭載。制御性能に優れ、CoreMark/MHzスコアは4.5となる。

 CEVA-BXの命令セットアーキテクチャ(ISA)は、ニューラルネットワークインタフェースやノイズリダクション、エコーキャンセレーション、浮動少数点演算などに広く用いられるSIMD(Single Instruction Multiple Data)に対応する。「CEVA-Xtend」を利用すれば、ユーザー独自のISAを追加することも可能だ。

 ラインアップは、「CEVA-BX1」「CEVA-BX2」の2種類。CEVA-BX1は、32×32ビットMACを1つと16×16ビットMACを4つ搭載し、セルラーIoT(モノのインターネット)、プロトコルスタック、常時稼働するセンサーフュージョンなどローレンジからミドルレンジの処理に最大8GMAC/秒で対応する。

 CEVA-BX2は、4つの32×32ビットMACと8つの16×16ビットMACに、16×8ビットと8×8ビットのMAC運用をサポートする拡張機能を備える。5GのPHY制御、複数マイクのビームフォーミング、音声認識用ニューラルネットワークなどに対応する。性能は最大16GMAC/秒だ。

 どちらも低消費電力で、大規模な制御コードベースの高度なプログラミングやコンパクトなコードサイズなど、DSPカーネルに求められる要件に対応する。そのため、自動車や産業機器分野におけるIoTデバイスへの利用が見込まれる。

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