障害は飛行機のブラスト――自動運転が日本の航空運輸を支えるか:自動運転技術(2/2 ページ)
空港地上支援業務は法律や空港の規定に従う必要があり、本実証実験も例外ではない。また、空港内で自動運転が普及するには地上係員とのスムーズな連携も不可欠だ。制限区域内でのバス運転業務に普段から従事し、今回の実証実験にも協力する運転士は、日常業務との違いに関して「運転が手動か自動かといった違いしかない」と語り、特に戸惑いもなく実験に従事できているとする。
羽田空港内制限区域で自動運転を行う様子。1分40秒頃にブラスト確認のため一時停止するシーンを確認できる(クリックで動画再生) 出典:SBドライブ
航空需要は年々増加の一途をたどる一方で、航空運輸業就業者数は2007年の約5万人から2016年には約4万人と近年は減少傾向となっている。ANAは空港地上支援業務について「人手をかけた労働集約的な業務が多い」との認識を示す。
同社では、空港地上支援業務の省力化と効率化を目指し旅客輸送の自動運転化以外にも、パッセンジャーボーディングブリッジの自動装着、貨物の飛行機への自動積み付け/取り外し、プッシュバック/トーイング業務のリモート化を進めていると紹介した。
ANAが取り組む地上支援業務効率化への施策(クリックで拡大) 出典:ANA
同実証の他に、空港制限区域内での自動運転実験は成田空港、仙台空港、中部空港で7グループによって行われる。これらの実証実験を監督する国土交通省は2018年度内に実験結果を取りまとめ、有識者会議で空港内自動運転の実現に向けた課題を議論する予定だ。
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国土交通省は2018年11月14日、福井県永平寺町において、1人の遠隔ドライバーが2台の遠隔型自動運転車を運用する実証実験を行うと発表した。1人の遠隔ドライバーが複数台の自動運転車を運用するのは「世界初」(同省)だという。期間は同月19日から。自転車歩行者専用道「永平寺参ろーど」の一部区間2kmを利用して運行する。地域住民や観光客に体験してもらい、自動運転サービスのニーズや受容性を調べる。
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愛知製鋼は「人とくるまのテクノロジー展2018」において、車両の位置を検知する「磁気ポジショニングシステム」を披露した。路面に埋設した磁気マーカーを車両の磁気センサーで検知し、5mm単位で自車位置を推定する。
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新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2018年8月3日、東京都内で会見を開き、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」が2022年度まで取り組む「SIP第2期」の研究開発計画を発表した。第2期は、2018年度で終了する第1期とは全く違うプロジェクトであり、「第1期の積み残しをやるためではない」(自動運転 プログラムディレクターでトヨタ自動車 先進技術開発カンパニー 常務理事の葛巻清吾氏)という位置付けだ。
- 離陸する航空機電動化の時代――この転換期に日本製造業は飛翔できるか
航空需要が飛躍的に高まる中、航空産業が排出する地球温暖化ガス削減は急務だ。また、空飛ぶクルマといった新たなモビリティも具現化しつつある。これらの実現を支える航空機電動化技術は日本製造業を大きく成長させる起爆剤となりえる。
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