米国の3DプリンタベンチャーのCarbonは、「第3回スマート工場EXPO」に出展し、引き上げ式の光硬化樹脂型の新方式3Dプリンティング技術をアピール。日本市場でも本格的に導入が広がりつつあることを訴えた。
米国の3DプリンタベンチャーのCarbonは、「第3回スマート工場EXPO」(2019年1月16〜18日、東京ビッグサイト)に出展し、引き上げ式の光硬化樹脂型の新方式3Dプリンティング技術をアピール。日本市場でも本格的に導入が広がりつつあることを訴えた。
Carbonは、3Dプリンタ本体や3Dプリンタで用いる材料の開発や製造、販売を手掛けるベンチャー企業で2013年の創業。創業者らは高分子化学の研究者で、独自の造形技術「CLIP(Continuous Liquid Interface Production)」を活用したプロセス「DLS (Digital Light Synthesis)」を開発した。
「DLS」は液状の樹脂を紫外線(UV)によって硬化させながら立体的に連続して造形する技術だ。3Dプリンタならではの複雑な形状を、均質に高速で造形できる。さらに熱活性化素材を材料に組み込み、UV硬化後に高温で焼き、2次的な化学反応を引き起こすことで、エンジニアリンググレードの機械的性質を持つ製品も造形できるという。
Carbonは、この技術を採用した3Dプリンタ「M1」と「M2」の2機種を開発し、米国では2016年から販売を開始。製造業の3Dプリンタの一般的な用途は、造形スピードの遅さなどから試作領域にとどまっていた。しかし、Carbonではこれらのスピードや強さなどの課題を解決することで量産用途を目指していることが特徴である※)
※)関連記事:アディダスも採用を決めた量産型3Dプリンティング技術、日本で披露。
こうした取り組みに注目したのがドイツのスポーツメーカーであるアディダスである。アディダスは2017年4月にCarbonとの提携を発表。同社の技術を活用して、スポーツシューズのソールを生産する取り組みを行った。同ソールを採用した3Dプリントシューズ「Futurecraft 4D」は2018年末までに10万足を生産。2019年にはさらに生産を拡大し、2019年末までに100万足の販売を目指すとしている※)。
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