設計と生産の一体化で宇都宮地区を針状ころ軸受の戦略地域へ、ジェイテクト新工場 : 工場ニュース (2/2 ページ)
今回の新工場稼働に際し、宇都宮機器本社工場からは一部製造ラインを清原工場に移設。その空きスペースを生かし、スラストタイプの製造ラインの整流化を進め生産効率向上を実現する。さらに、ジェイテクトのNRBの商品開発、設計、試作、評価などの機能を宇都宮機器本社工場に移し、宇都宮地域だけで、NRBについては設計から生産まで一貫して行える体制を構築した。
開所式であいさつをする宮崎氏
ジェイテクトはNRBのシェアについて「世界シェアが2位で国内シェアは3位」(同社)としており、国内でのシェア向上は課題の1つとなっている。一方でNRBは「コモディティ化が進んでおり価格競争は厳しい。その中で単純に量を追っても利益が薄くなるだけで、新たな差別化につながるような付加価値を実現することが重要だ。そのために、国内生産能力の増強とともに、設計および試作、評価機能の移管を行った」とジェイテクト 専務取締役 軸受事業本部 本部長の宮崎博之氏は新工場の狙いについて述べる。
ジェイテクトでは、自動車メーカーに対してより早くニーズをつかむためにそれぞれの自動車開発の拠点近くにテクノロジーセンターを用意。同拠点を生かし自動車メーカー側のニーズを素早く取り入れて製品開発に生かすフロントローディング化を進めている。しかし「ニーズに応えるだけでは後追いになる。ジェイテクト側から提案していくためには独自の開発体制が必要だ。宇都宮地区の一貫体制は、新たな価値をジェイテクトから発信する狙いがある」と宮崎氏は語る。
さらに設計から製造までの一貫体制の利点について宮崎氏は「設計から試作、製造までのサイクルを短期化できるということが大きい。さまざまな試行錯誤をより短い時間で繰り返すことができ、新たな価値を具体的な形で作り出しやすい。同じところに1つにいるということが重要だ」と価値について述べている。
ジェイテクトの軸受事業の成長戦略(クリックで拡大)出典:ジェイテクト
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