シーメンスは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展。同社の新製品「Solid Edge 2019」シリーズや、旧CD-adapcoの製品である「Simcenter STAR-CCM+」および設計探査ツール「HEEDS」などを展示し、3D CADと電気設計、解析・シミュレーションとの連携をアピールした。
シーメンスは「第29回 設計・製造ソリューション展」(以下、DMS2018、2018年6月20〜22日、東京ビッグサイト)に出展。同社の新製品「Solid Edge 2019」シリーズや、旧CD-adapcoの製品である「Simcenter STAR-CCM+」および設計探査ツール「HEEDS」などを展示し、3D CADと電気設計、解析・シミュレーションとの連携をアピールした。
シーメンスが2018年6月18日に発表した、3D CAD新製品「Solid Edge 2019」は、前バージョン名までは「ST(Synchronous Technology:シンクロナステクノロジ)」を冠していたが、今回から年表記になった。シンクロナステクノロジとはシーメンスが開発した、履歴を残すタイプ(ヒストリーCAD)と残さないタイプ(ノンヒストリ―CAD)のモデリングが混在する、同社の独自技術によるCAD環境である。
来場者からの注目度が高かったのはやはり、エレメカ連携ツールのところだという。
今回、シーメンス傘下のMentor Graphics(メンター)のソフトウェア技術を取り入れた電気設計のアドオンツールを追加した。回路・配線設計ツールの「Solid Edge Wiring Design」、ハーネス設計ツール「Solid Edge Harness Design」、基板設計ツール「Solid Edge PCB Design」だ。
一からの新規開発のツールではなく、業界の中で長年使われてきたメンターの「Capital」ががベースであるため、その機能としては多くのユーザーに磨かれて熟したものであるのが利点だということだ。
Solid Edge Wiring Designでは配線図作成と、電気系統の簡易シミュレーション機能を備える。Solid Edge Harness Designは、ハーネス(電線を束にして構成するケーブル)設計に対応し、設計検証、製造レポートなどの機能を備える。2ツールで設計した配線の長さをSolid Edgeにフィードバックし、Solid Edgeの3Dデータで線の取り回しを再検討し、さらに回路設計側にフィードバックするといった連携が可能になる。
それとは別に基板設計ツールとして、同じくメンターの技術による「Solid Edge PCB Design」も2018年冬季までに提供予定だ。3D CAD側に基板設計データを3D化して取り組むことが可能となる。
旧バージョンから備えていたCFDツールの「FloEFD for Solid Edge」もメンターの技術である。新製品では、定常解析だけではなく、タイムステップごとの伝熱が扱える過渡熱伝導解析に対応した。容器の中で波打つ液体などを表現できる、フリーサーフェスも扱うことが可能だ。
メンターの技術以外のところでは、プラント設計とP&ID(配管計装図)および配管設計モジュール「Solid Edge P&ID Design」および「Solid Edge Piping Design」が加わった。
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