支援ツールという道具を使うときに大事なことは、「目的に合ったツールを使う」ことである。日曜大工をしていて、代用品の道具を使ってみたが、手間ばかり掛かった上にうまくいかず、仕方なくホームセンターで目的に合った道具を手に入れたらなんと簡単にうまくできることかと気付くことはよくあると思う。STPAによる分析にも同じことがいえる。
STPA分析という目的に合ったSTAMP支援ツールとしては、IPAが開発して2018年3月に無償で提供している「STAMP Workbench」がある。STAMP Workbenchは、STAMPに特化したモデリングツールなので、一度STAMP Workbenchを使ってSTPA分析を体験したら二度と「Power Pointで図を描いて、Excelで表作成する」、というSTPA分析をする気にはならないはずだ。
⇒STAMP Workbench(2018年3月30日公開)
例えば、STAMPを熟知した研究者がSTAMPに基づく新たな手法を考えようとするときに、自らアドオン機能をプログラミングして、その手法を視覚化し、研究結果を確認するには、ここで紹介されている「XSTAMPP」が大いに役立つであろう。
⇒その他のSTAMP支援ツール:MITのSTAMPツール紹介ページ
ここからはSTAMP Workbenchを使って分析の手順を説明していく。
STAMP Workbenchが誘導する分析手順は、「はじめてのSTAMP/STPA」に記載したSTPA手順に準拠している。そして、手順解説は、「はじめてのSTAMP/STPA」に記載された通りとなっており、STAMP Workbenchのプロジェクトビュー(STPA手順ビュー)にマウスポインターを持っていくとそれが表示される。
最初に行うのはSTAMP Workbenchのインストールである。
STAMP WorkbenchをIPAのWebサイトからダウンロードして、PCにインストールする。インストールパッケージを実行し、セットアップウィザードで「はい」→「はい」とクリックすればインストール完了である(図3)。
インストールと起動方法は以下のWebサイトからも参照できる。
STAMP Workbench が使用する言語には日本語と英語があり、どちらの言語を使うかは、インストールするPCのWindowsの言語設定に従うので、特に利用者が設定する必要はない。
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