AI技術を活用した食品工場レイアウト自動作製ツールを開発製造ITニュース

日立プラントサービスは、AI技術を活用して食品工場内のレイアウトを自動で作製するエンジニアリングツールを開発し、実案件への適用を開始した。工場レイアウト設計業務を効率化できる。

» 2018年06月13日 09時00分 公開
[MONOist]

 日立プラントサービスは2018年5月29日、AI(人工知能)技術を活用して食品工場内のレイアウトを自動で作製するエンジニアリングツールを開発し、実案件への適用を開始したと発表した。工場レイアウト設計業務を効率化できる。同社は、年間10件以上の食品工場のエンジニアリング案件に適用する予定だ。

 今回開発されたツールでは、熟練技術者の設計ノウハウをレイアウトの要素ごとに項目を分けて標準化し、評価点として数値化する。さらに、AIの一種とされる遺伝的アルゴリズム(数理的な解析が難しい問題に対して、アルゴリズムそのものを進化させ準最適解を得る方法)を利用し、組み合わせを最適化する。

 同ツールを適用することで、「原料・製品動線」「適切な衛生区画」「作業員動線」「副資材、廃棄物の動線」など複数の条件の最適化な組み合わせを高速でパターン解析できる。各条件の優先順位を考慮したレイアウトを複数作製し、それぞれの評価点を表示できるため、定量的な評価・選定が可能だ。

 条件を入力すれば自動でレイアウトの検討が可能で、複数のレイアウト案を並行して検討する場合、工場レイアウト設計業務を約50%効率化できると同社は想定する。

 また、食品メーカーは、工場建設の計画段階で、ニーズや運用に合った複数のレイアウトを定量的かつスピーディーに評価・選定できる。玄関や階段の位置など、周辺施設や既存設備も含めて適用できることから、来客動線や従業員の入退出管理なども考慮できる。既設工場の改修にも適用可能だ。敷地の形状ごとにレイアウトを作製できるため、土地の選定にも活用できる。

photo 設計者作製レイアウトとの比較評価結果(総菜工場の例) 出典:日立プラントサービス

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