初見で使いこなせますか、最新輸入車のHMI車両デザイン(1/2 ページ)

初めて乗ってから説明書なしでどこまで使いこなせるか実験した。

» 2018年02月19日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 今までに乗ったことのない初めてのクルマを運転する時、ドライバーは手探りで使い方を理解しようとする。

 それは、方向指示器とワイパーを間違えるとか、右ハンドルに乗り慣れた人が左ハンドルに乗ると戸惑う(シフトレバーに手を伸ばそうとして左手をぶつける等)ということに限らない。車載情報機器のメニュー構成がメーカーごとに異なるのはもちろん、ハザードランプのスイッチやエアコン、ステアリングスイッチなど操作系の配置も車種ごとに変わる。

 輸入車の最新モデルともなると、車両の多機能化や最新のHMI(ヒューマンマシンインタフェース)技術の採用によって、初めて触ってから使い方を把握するまで手間取ってしまう場合がある。

 欧米自動車メーカーの現行モデルの中から、初めて乗る人が手間取る(かもしれない)HMIを紹介する。試乗したのはシボレー「カマロ コンバーティブル」とボルボ「XC60」、VW「アルテオン」、アウディ「Q5」、ルノー「トゥインゴ GT」、ランドローバー「レンジローバー・ヴェラール」の6台で、いずれも初めて運転した。初見の状態から説明書なしに試行錯誤しながら10分ほどかけて操作方法を探った。

カマロ コンバーティブル(左)、XC60(中央)、アルテオン(右)(クリックして拡大)
Q5(左)、トゥインゴ GT(中央)、レンジローバー・ヴェラール(右)(クリックして拡大)

 初めて運転するクルマの操作が分かりにくいのは、ドライバーがそのモデルに対して不慣れであることが理由の1つだ。慣れてしまえば気にならなくなるだろう。初見殺しなHMIだからといって、デザインの欠陥とは限らないことを前置きしておきたい。

よく調べてから使おう

 今や軽自動車にも採用されているACC(アダプティブクルーズコントロール)。運転の負担を軽減するメリットは言うまでもない。

 基本的な機能は自動車メーカーごとに違いはないが、ACC以外にも設定速度を維持するだけのクルーズコントロール、上限速度を超えないようにする速度リミッターといった機能と切り替えて使用したり、ACCと車線維持支援機能と併用したりできるため、メーターの表示でどの機能が作動中か確認しつつ、何度かスイッチを押す必要がある。車間距離や速度の設定と、実際の走り方を比べて調整する場面もあるだろう。運転中にメーターを見ながら操作方法を確かめるのは危険である。

レンジローバー・ヴェラールのACC作動イメージ。車線維持支援機能のオンオフ、速度リミッターの選択、機能のキャンセルが分かりやすかった(クリックして拡大)
各社で微妙に異なるACCのスイッチ類。走りながら使うことを考えると、事前に操作方法を確認したいところだ。XC60(左)、アルテオン(中央)、Q5(右)(クリックして拡大)

 また、操作を行うのはステアリングスイッチだったり、方向指示器やワイパーのようにステアリングの奥から伸びたスイッチだったりする。ステアリングスイッチでも、よく見るとボタンの種類が微妙に違う。走り始める前にモデルの取扱説明書を見て確認するのが安心だろう。ACCは既に普及期にある機能なので、方向指示器やワイパーのように個性のないデザインでも良いのではないかと思ってしまう。

どれをオフにする?

 最新モデル、しかも車両価格が500万円台半ばから700万円近くなると、ADAS(先進運転支援システム)の機能が複数にわたる。車載情報機器から車両設定のページを開くと、それらの機能の作動条件について1つ1つ設定することができる。機能が多いので、画面のスクロール量はどうしても増える。

ADASの設定画面は項目が多く、1つずつ設定するのは時間がかかりそう。アルテオン(左)、XC60(右)(クリックして拡大)

 マイカーであればこれらの機能の作動条件を最初に設定してしまえば終わるが、カーシェアリングやレンタカーなど借り物のクルマの場合、好みの設定にし終えるまで一仕事となりそうだ。

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