食品加工機械メーカーの不二精機は、おにぎり成形機で業界トップシェアを誇る。同社では、年間約10機種の新規開発を行うとともに、既存機種のカスタマイズにおいても約30機種を手掛けている。開発型の企業である同社にとって開発効率の向上は重要な課題である。そこで業務プロセスを変革すべく、2D CADから3D CADへの移行を決断。2001年から行ってきた同社の3D CAD推進の取り組みを紹介する。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットで目にする“おにぎり”を成形する、おにぎりマシン(おにぎり成形機)で業界トップシェアを誇る不二精機。同社のおにぎり成形機で作られるおにぎりの数は、年間で約90.3億個に上るという。
同社は、1962年に設立された食品加工機械メーカーである。まんじゅうやおはぎの自動成形機(包あん機)メーカーとして誕生し、その技術力を生かし、日本で最初におにぎりの自動成形機を生み出した会社として知られている。
現在、おにぎりの他、すし、飯盛り付け、製麺といったさまざまな食品加工機械をラインアップ。年間で約10機種の新規開発を行うとともに、既存機種のカスタマイズにおいては約30機種を手掛けているという。
食品加工機械メーカーとして歴史のある同社だが、3D CAD導入への取り組みは比較的早く、2001年から行っているそうだ。同社は開発型の企業であり、常に新製品を市場に投入し、それを企業の成長(売り上げ、シェア拡大)につなげていかなければならない。そのためには、さらなる効率化が求められる。そこで、当時使用していた2D CADから3D CADへと移行する“3D CAD推進”をスタートさせたのだ。
この3D CAD導入の取り組みに長年関わってきたのが、同社 開発設計部 開発室 課長代理の前田拓雄氏である。2次元から3次元への移行はスムーズに行えたのか? 3D CAD選定はどのように行ったのか? そして立ち上げをどのように行ったのか? オートデスク主催の「Autodesk University Japan 2017」(2017年9月21〜22日)に登壇した前田氏の講演「開発設計部門の機動力アップ、Inventor/Vaultによる生産性改革」を基に、同社の3D CAD推進の取り組みを紹介する。
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