フロスト&サリバンは、2017年のビジネスや産業、経済に大きな影響をもたらすことが予測されるトレンド「2017年:17のトレンド予測」を発表した。コグニティブやAIパーソナルアシスタント市場などに注目している。
フロスト&サリバンは2017年2月21日、2017年のビジネスや産業、経済に大きな影響をもたらすことが予測されるトレンド「2017年:17のトレンド予測」を発表した。ビジネスや経済の世界的なトレンドを特定すると同時に、企業が今後投資すべき分野を示している。
予測ではまず、アメリカでのトランプ政権誕生とイギリスのEU離脱という大きな政治的変化に続いて、2017年には世界的に孤立主義が拡大するとし、グローバル経済やビジネスにも影響が及び、世界秩序が転換点を迎えるとする。トランプ政権の影響はメキシコやヨーロッパ、アジアなど世界全体に及び、またイギリスのEU離脱も関係各国に影響するとしている。一方アジアでは、中国の産業ロボット市場が成長し、国際貿易上の関係性が変わっていくと予測する。
2017年は「コグニティブ」が新たなキーワードとなり、コグニティブ・テクノロジーを活用した製品やサービス展開が進む。人工知能(AI)アシスタントデバイスの進化により、スマートホームからコネクテッドリビングへの移行がさらに進む。IoT(モノのインターネット)は知覚ツールとして進化し、IoTネットワークの導入がさらに進む。インダストリアルIoTの導入拡大やIoTプラットフォームのコモディティ化も進むと予測する。
また、デジタルテクノロジーを駆使した産業間の融合が進行し、市場での勢力図の変化が予測されるとする。AIパーソナルアシスタント市場は競争が加速し、拡張現実のB2B用途での活用拡大やデータ・アズ・ア・サービス(DaaS)の爆発的な普及で、これまで市場を掌握していた企業が脅かされることも予測されるとする。
その他、2017年にはレベル3の自動運転車の市場投入、ドローンによる荷物の配達、宇宙探検の開始が見込まれる。中国での産業ロボットの人間に対する割合の急増による雇用ダイナミクスの変化や、ハラル経済の競争力を持つセクタとしての台頭も予測している。また2017年にはMPVやSUV、サブコンパクトカーセグメントで新型車の導入が予定され、新車販売台数の増加を促進するとしている。
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