ロボデックス開催に合わせて実施されたロボデックスカンファレンス「世界に革命を起こす!日本のロボット新戦略とは」では、開催記念講演としてロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)事務局長の久保智彰氏が登壇。「ロボット革命とIoTによる製造ビジネス変革に向けて」をテーマに同協議会のIoTおよびロボット利活用推進を目指した取り組みを紹介した。
産業用・サービスロボットから、ロボットの開発技術、IT、AI技術までが一堂に集まった「第1回ロボデックス ロボット開発・活用展」(2017年1月18〜20日、東京ビッグサイト)の実施に合わせてロボデックスカンファレンス「世界に革命を起こす!日本のロボット新戦略とは」が行われた。その開催記念講演にロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)事務局長の久保智彰氏が登壇。「ロボット革命とIoTによる製造ビジネス変革に向けて」をテーマに同協議会のIoTおよびロボット利活用推進を目指した取り組みを紹介した。
ロボット革命イニシアティブ協議会は、日本の「ロボット新戦略」の具体的な推進母体として2015年5月に設立された。製造業やサービス業に加え、農業、介護、建設・インフラなど、幅広い分野のロボットの作り手や担い手(SIer、情報通信関係)が参画している。会員数は設立時の226から大きく拡大し、2016年12月時点で461に及ぶ。
協議会の下には「IoTによる製造ビジネス変革」「ロボット利活用推進」「ロボットイノベーション」などに関するワーキンググループ(WG)を設置し、具体的な課題への取り組みを行っている。久保氏は「RRIは民間の団体として、具体的に新たなロボットを開発するということではなく、国と緊密に連携し、意見交換、提言、施策立案しながら、新たな仕組み、仕掛け、規格・標準、制度、ルール、方針などを考え、議論する組織である」とRRIを紹介している。
現在ロボットには、少子化、労働人口減少、高齢化、社会インフラ老朽化などの課題をロボットの活用で課題解決の活路を開くことが期待されている。ロボットを活用するとは「ロボットが人に代わって仕事をしたり、ロボットの助けを借りてより効率的に仕事をしたりする」(久保氏)ということで、メカとしてのロボットの他、センサー、ネットワークなどで情報を集め、人工知能(AI)などで判断し、自律的に動作するシステムも含まれている。
日本のロボット新戦略では、技術開発や規制緩和により2020年までにロボット市場を製造分野で現在の2倍(6000億円を1.2兆円へ)に拡大することと、サービスなど非製造分野で20倍(600億円を1.2兆円へ)にすることを目指している。また「ロボットの概念」と位置付けたデジタル化およびネットワーク化を生かしつつ、高度のセンサーや人工知能(AI)を駆使して作業を行う新たなシステムが成長するには、IoTが最も重要なアイテムとみている。
現在インダストリー4.0、産業のデジタル化、スマート工場などのキーワードが叫ばれており、RRIとしても「IoTよる製造ビジネス変革によって、ものづくりの全体最適化が進むと捉えている。今までは一つの工程ごとのチューンアップ、改善を行っていたのが、全体に情報がつながることで製造ライン全体が最適化されることになる。また、設計、製造などの部門間の連携も図られ、さらに企業間のかかわり合い方も変わってくる」(久保氏)とIoTの可能性を指摘する。
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