ダイハツ工業は、「東京オートサロン2017」において、ホットハッチ「シャレード デ トマソ」や「TR-XX」の要素を取り入れたデザインのカスタマイズモデルを紹介。ダイハツ工業 コーポレート企画部 ブランド・DNA室 室長の藤下修氏に、カスタマイズに往年のホットハッチのモデル名を出した狙いを聞いた。
ダイハツ工業は、「東京オートサロン2017」(2017年1月13〜15日、幕張メッセ)において、ホットハッチ「シャレード デ トマソ」や「TR-XX」の要素を取り入れたデザインのカスタマイズモデルを紹介した。
展示した車両のベースは「ブーン シルク」「トール」「ムーヴ キャンバス」「コペン」の4台。ダイハツ工業 コーポレート企画部 ブランド・DNA室 室長の藤下修氏に、カスタマイズに往年のホットハッチのモデル名を出した狙いを聞いた。
シャレード デ トマソは、1984年にデビュー。イタリアのヌオバ・イノセンティの代表であるデ・トマソ氏がデザインに参加した。ダイハツ工業の「シャレード」のターボモデルをベースにエアロチューニングを施し、機能性を重視した内外装部品でドレスアップした。TR-XXは軽自動車「ミラ」のスポーツ仕様。1983年に「ミラ ターボ」が登場し、1985年に「ミラ ターボ TR-XX」が発売された。
「例えばシャレード デ トマソは、小さくて、やんちゃに走りを楽しめるクルマだった。ホットハッチと呼べるモデルは、ダイハツのラインアップだけでなく世の中からなくなってしまった。小さくても走りを楽しめるクルマの存在も含めてクルマの文化を考えた時に、ダイハツのホットハッチが元気にやっていたことを思い出してみようということになった。赤と黒のツートンだったシャレード デ トマソやXXに倣ったので、あらためてモデル名を出した」(藤下氏)。
ホットハッチはラインアップからなくなってしまったが、走る楽しさを無視しているのではないという。その例の1つが、コンパクトトールワゴン「トール」に搭載した排気量1.0l(リットル)のガソリンターボエンジンだ。排気量1.5lのNAエンジン(トヨタ自動車では「シエンタ」「カローラ」に搭載)に相当する最大トルクを広い回転数域で発揮する。
排気量1.0lのターボエンジン以外には同じ排気量の自然吸気(NA)エンジンを設定。購入の内訳をみると、ターボモデルが4割を占める。「小さいクルマに乗り換えるダウンサイズだけでなく、小さくても生きの良いクルマがほしいということがより明確に分かれば、そうした声に応えていきたい」(藤下氏)。
「クルマを保有する人は、家族を乗せて走るだけの運転手になってしまっては楽しくなくなる。今後、クルマを保有する以外にシェアリングなどいろいろな形が出てくるかもしれないが、クルマを持つということは運転する楽しさがなくてはならない。楽しく自分らしく選べる1台を提供できるのがダイハツだと思っている。“シャレード デ トマソ、いいよね”という声が大きければ、往年のホットハッチのようなスポーツモデルの製品化も考える」(藤下氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.