FFの軽商用車の需要は今後増えていく――。ダイハツ工業が発売したFF車の軽商用バン「ハイゼット キャディー」は、月販1000台を見込む。現行のFR軽商用車「ハイゼット カーゴ」ほどの積載量を必要としない配送や、軽乗用車を商用として使う事業者など、軽商用車のライトユーザーを狙う。一方で、従来のFR軽商用車の需要も底堅く推移すると見ている。
FFの軽商用車の需要は今後増えていく――。ダイハツ工業が2016年6月13日に発売したFF車の軽商用バン「ハイゼット キャディー」は、月販1000台を見込んでいる。現行のFR軽商用車「ハイゼット カーゴ」ほどの積載量を必要としない配送や、軽乗用車を商用として使う事業者など、軽商用車のライトユーザーを狙う。一方で、従来のFR軽商用車の需要も底堅く推移すると見ている。
ハイゼット キャディーは軽乗用車「ウェイク」をベースとしている。「FFの軽乗用車で室内空間にこだわったのは『タント』が先駆けで、ウェイクはレジャー向けにスペースを重視して作ったモデルだ。軽乗用車がスペース重視に移行してきた一方で、商用車に対しては乗りやすさを求める方向に要望が変わってきた。ウェイクを使って何かできないか、というのがハイゼット キャディー開発のきっかけ」(ダイハツ工業 上級執行役員の上田亨氏)だという。
ハイゼット キャディーとウェイクは、乗車定員ですみ分けを図る。ハイゼット キャディーは、荷室の床をフラットにした代わりにリアシートがない2人乗りだ。「ハイゼット キャディーは働くクルマ、ウェイクはレジャーのクルマと位置付けている。2人乗りが不便だと思う方はウェイクを選んでほしい。あまり人を乗せない場合は、レジャーを楽しむユーザーにもハイゼット キャディーを使ってもらえるだろう」(ダイハツ工業 開発本部 製品企画部 チーフエンジニアの中島雅之氏)。
ダイハツ工業は、軽商用車の荷室使用率/平均積載重量が減少傾向にあることや、軽乗用車を商用として使うケースが増加していることを踏まえ、運転のしやすさを重視したFF車のハイゼット キャディーを投入する。
製品企画では、引越しのアートコーポレーション、ダスキン、自転車のシェアリングサービスを運営するドコモ・バイクシェア、花キューピット、持ち帰り弁当「ほっともっと」を手掛けるプレナスが協力した。各社が軽商用車で輸送するのは、荷造り用の段ボールや生花、弁当、自転車など。ハイゼット キャディーの最大積載量150kgで業務には必要十分だという。
この他にも「インターネット通販のように、一度にたくさんの積み荷を載せる必要はないが移動の頻度が多い事業者での利用に適しているのではないか」(中島氏)と想定している。
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