HILSコンピュータへのプラントモデルの組み込みは次のような手順で行います。
それでは、連載第1回で取り上げたエンジン発電機システムのECUについて、HILSを使ってどのようにテストできるかを考えてみましょう。
PC画面に設定したUIを操作してUIの値を変化させると、HILSソフトがHILSコンピュータの該当項目の値を変化させて、制御ループの動作に影響を与えます。制御ループの動作状況は、測定用UI項目を通じて観測することができます。
図2にHILSの装置構成とUIイメージを示します。UI画面は、システムを操作/観測する観点から設計します。発電機システムと電気負荷を操作するためのスイッチを備えており、画面からシステムの操作を全て行えるようにします。同時にシステム状態変化を観測するのに便利な時系列のグラフを表示します。エンジン回転数やスロットル開度に加えて、エンジントルクや燃料消費量など実世界では計測装置を使わないと測定困難なデータも、HILSでは自由に測定できます。
UIを操作/観測することにより、以下の制御機能/性能のテストを実世界の発電機システム同様に行えるのです。
測定に関しては実世界よりもずっと簡単に、注目する信号をUI画面やログ項目に設定するだけで測定できます。テスト内容によって、必要なデータを簡単に追加計測することもできます。
HILSでは、制御対象はバーチャルの世界で動いており、実際に動いているのはECUの電気信号だけです。HILS上でどのようなテストをしても、機械的に動くものはありません。危険なテスト条件であっても、実際に危険を及ぼす懸念が全くないことは、HILSの特徴の1つです。
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