さあ、次はいよいよ姿勢公差です。ここからは形体単独ではなく、基準となるデータムと関係します。データムに関しては幾何公差の命ともいえるので、じっくり説明をしたいのですが、詳しくは本サイトの先輩諸氏の連載とも重複し、また世の中には良書が多々あるので参考にしていただきたく、ここでは測定視点にフォーカスして説明をしたいと思います。
一口にデータムと言っても、製品に関わる立場が違えばデータムに対する視点が異なります。設計のステップによって以下のように分類できると考えます。
設計者は、1、2、3、4の順でデータムを考え、できるだけ統一したデータム系(複数のデータムの組)にすることを推奨しますが、統合できない場合は別データム系(補助データムとも言う)を用いることも必要です。
図6はかなりデフォルメした図ですが基本となる3平面データム系(ABC)とはビュー方向の異なる面を補助データム系(DBE)として設定しています。
これは、位置度(この公差に関しては後日説明をします)を測定するのに、光学的な画像測定の場合は測定面に垂直方向で基準設定をする必要があるので補助データムが必要ですが、3次元測定機の場合は、基本データム系(ABC)を共通で用いても測定が可能なので、どの測定機を用いるかでデータムの設定方法が変わります。また、測定に必要な装置、時間なども変わるので、測定コストにも関わってきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.