パナソニックは、2018年度の売上高目標を10兆円から8兆8000億円前後に修正するとともに「利益成長」をより重視する事業戦略を発表。「成長戦略が軌道に乗りつつある事業で確実に利益を積み重ね、そこに高い収益性が望める事業を付加して、全社として利益成長できる構造を実現する」(同社社長の津賀一宏氏)という。
パナソニックは2016年3月31日、東京都内で行った事業方針説明会において、2018年度(2019年3月期)に目指していた売上高10兆円の目標を8兆8000億円前後に変更するとともに、「利益成長」をより重視したグループ目標を軸とする事業戦略を発表した。目標変更の背景には取り巻く経営環境の変化により、増収による増益の構造が構築できなかった点にあるようだ。同社社長の津賀一宏氏は「成長戦略が軌道に乗りつつある事業で確実に利益を積み重ね、そこに高い収益性が望める事業を付加して、全社として利益成長できる構造を実現していく」などと、目標に向けての筋道を示した。
2015年度は、2014年度に中期経営計画を1年前倒しで達成して、売り上げ成長による利益創出という方向に大きく舵を切り、「持続的な成長」のステージへと向かう年だった。具体的には大規模6事業部がけん引し、戦略投資の仕込みおよび実行に取り組んだ。
しかし2015年度の業績は、売上高目標の8兆円に対して4500億円少ない7兆5500億円(2014年度の売上高は7兆7150億円)。営業利益も目標に200億円足りない4100億円(同3819億円)を予想している。営業利益は伸長したが、結果的に「増収による増益」の構図を作ることはできなかった。一方で、合理化や構成差改善などにより、増益は確保することはできたとする。
津賀氏は2015年度について、
という3点を総括として挙げた。その上で「これらの取り組みが実績となるには時間が必要となるが、増収増益に向けての成長戦略は変わらない」と述べる。
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