「つながる」ことが当たり前になると、求められるモノにも変化が起きます。「企業は技術そのものやビジョンではなく、今使えるソリューションを求めている」というコメントは非常に示唆的です。
2015年のET展(組込み総合技術展 Embedded Technology 2015)は、新たにIoT総合技術展「IoT Technology 2015」を併催して行われました。ET展は組み込み技術の総合技術展示会というスタンスで開催されており、前回、前々回から“つながる”ことを強調した技術展示が多く行われていました。しかし、今回は少々、様相が異なりました。
「産業用バーコードスキャナーをIoTのエンドデバイスとして、データをクラウドで管理する」「ゲートウェイとクラウド上の変換ソフトを用いて、PLCをメーカー問わずで一元管理する」といったように企業間を越えた連携によってどのようなメリットを得られるかを紹介する展示が多く行われていたのです。
そう、関心は「つながるか」から「つなげてどうするか」に移りつつあります。組み込み機器でもつながることが当たり前になれば、次はどのようにして活用するかが主題となるのは自明の理ですが、活用とは課題の解決を意味します。「課題の解決」から思考を開始すると、製品や技術を出発点とする考え方が馴染まないのは自然です。
すると、どうなるでしょうか。
要望を満たすシステムを作り上げることが目的になりますから、センサーはA社の製品、マイコンボードはB社の製品、マイコン上で走る組み込みOSはC社、ゲートウェイはD社、クラウドはE社……と要望に応じての各社の製品(部品)を選択と、それらをまとめあげるシステム開発が求められることになります。その開発は必然として、組み合わせの手法を取ることになり、個別開発の必要性は小さくなるでしょう。
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