ヤマハ発動機が2016〜2018年度の中期経営計画を発表した。2018年度に売上高で2015年度比3500億円増の2兆円、営業利益は同550億円増の1800億円を目指す。開発中の四輪車の発売時期は「今回の中期経営計画の後、2019〜2020年ごろになる」(同社社長の柳弘之氏)という。
ヤマハ発動機は2015年12月15日、東京都内で記者会見を開き、2016〜2018年度の中期経営計画(中計)を発表した。2018年度(2018年12月期)に売上高で2015年度比3500億円増の2兆円、営業利益は同550億円増の1800億円を目指す。二輪車などの既存事業は、開発や生産の効率化や収益改善に取り組む。既存事業の稼ぐ力を高め、新しい成長戦略と位置付ける四輪車/三輪車やロボット技術、知能化などの分野に3年間で1300億円を投資する。「ひとまわり・ふたまわり大きな『個性的な会社』」(ヤマハ発動機 社長の柳弘之氏)を目指す。
2018年度までに増やす売上高3500億円の事業別の内訳は、二輪車で2500億円、マリンで400億円、特機で400億円、その他で200億円。営業利益は2015年度と比較して、二輪車で370億円、マリンで70億円、特機で95億円、その他で15億円の増加を目指す。
地域別では先進国は堅調に推移すると見込む。一方で新興国はインドネシア/ベトナム/インドに集中して売り上げの回復、拡大を目指す。
今回の中計ではモビリティ/マリン/ソリューションビジネス/基盤技術開発の4つを成長戦略に設定した。
これらの成長戦略について、柳氏は「既存事業の稼ぐ力を高め、新しい成長戦略に資源投入する」と述べる。成長戦略向けに2016〜2018年度で、拠点投資やM&Aに600億円、研究開発費に700億円を振り向ける。「投資は8割が海外向け、研究開発費は8割が国内向けになるイメージ」(同氏)だ。これに対し既存事業は3年間で、拠点投資やM&Aが100億円減少して1800億円になるが、先行開発に重点を置くため研究開発費が増加し300億円増の2800億円となる。
「東京モーターショー2015」などでコンセプトカーを披露している四輪車を市場投入する見通しについて柳氏は「新中計の期間中には発売しない」と説明。「ミニマムな投資での製品化を模索している。2019〜2020年には市場投入を目指す。開発が遅れているわけではない」(同氏)と述べた。
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