「文化庁メディア芸術祭」と「DMM.make AKIBA」のコラボイベントが行われ、「handiii」や「仕込みiPhone」の開発者らが登壇し、モノづくりの現状と再評価について語りました。で、受賞したらどんなイイコトがあるの?
文化庁メディア芸術祭とDMM.make AKIBAのコラボレーションイベント「モノのメディア化とデザインの未来」が2015年8月18日、東京・秋葉原のモノづくり施設「DMM.make AKIBA」にて開催されました。
この文化庁メディア芸術祭は、毎年アート/エンターテインメント/アニメーション/マンガの4部門において優れた作品を決定するコンテストと、その鑑賞機会を提供するイベントで、受賞作は東京・六本木の国立新美術館で展示されることも知られます。
「アート」「メディア」などのワードから、一見モノづくりの分野に関係無さそうに見えるコンテストですが、実は2014年度にeexiiiの筋電義手「handiii」がエンターテイメント部門で優秀賞を受賞しています。エンターテイメント部門は間口が非常に広く、モノづくりの作品や活動も応募可能なのです。
2013年度には森翔太さんの「仕込みiPhone」、2014年度には石川大樹さん(デイリーポータルZ)企画の「技術力の低い人 限定ロボコン(通称:ヘボコン)」の活動も審査員特別賞を受賞しています。
exiiiが開発した筋電義手「handiii」は、もともとより人間の手に近づけるように作られ、そして高額だった義手を、3Dプリンタなどと絡めることで「かっこよく」「低価格で」作れるようにしたもの。「モノづくりの仕組みが変わってきたことにワクワクするし、handiiiは見た目がかっこいいことで、普通の義手では起こり得なかったコミュニケーションが起こっている」と審査委員の米光さんは受賞となったポイントを語ります。
DMM.make AKIBAを立ち上げた小笠原さんは「バイラルメディアの登場などで、ネットが面白くなくなる一報、その反動として『モノ』の価値が再浮上している」と現状を解説します。審査委員の東泉さんも「もともとメディアアートの世界は『モノ』を使って表現が行われてきた。それが映像などさまざまなメディアに移行したが、最近はまた『モノ』に回帰しているように感じる」と昨今の印象を語りました。
これらの背景も重なり、文化庁メディア芸術祭ではモノづくりに携わる方の応募に期待しているとのこと。「受賞者は、実行委員会からの支援など多くの機会に恵まれる。エンターテイメント部門はhandiiiから仕込みiPhoneまで間口も広いので、ぜひモノづくりをされている方やモノづくりにまつわる活動をしている方は気軽に応募してほしい」と審査委員のおふたりはコメントしました。
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