トヨタとマツダが“もっといいクルマ”に向け業務提携を拡大 : 製造マネジメントニュース
トヨタとマツダは、従来の業務提携の枠組みを拡大する覚書に調印したことを発表した。環境技術や安全技術などでのシナジーを見込んでいるという。
トヨタ自動車(以下、トヨタ)とマツダは2015年5月13日、両社の経営資源の活用や、商品・技術の補完など従来の業務提携の枠組みを拡大する覚書に調印したことを発表した。今後、両社で組織する検討委員会を立ち上げ、環境技術、先進安全技術などの分野をはじめとする具体的な業務提携の内容の合意を目指していく。
トヨタとマツダは、これまでもトヨタのハイブリッドシステム技術のライセンス供与や、マツダのメキシコ工場におけるトヨタの小型車生産などで業務提携を行ってきた。これらに加えて、今回の協業検討の合意は、従来の提携の枠組みを超えて「クルマの新たな価値創造」に向けた中長期的な相互協力を目指すものだとしている。
トヨタとマツダとの業務提携調印式の様子(クリックで拡大)※出典:トヨタ
トヨタは「もっといいクルマづくり」を掲げ、持続的成長に向けた“真の競争力強化”に向け全社を挙げた構造改革を推進。2014年度決算では、売上高が前期比6.0%増の27兆2345億円、営業利益が同20.0%増の2兆7505億円、当期純利益が同19.2%増の2兆1733億円と過去最高の実績を残しており、本格成長への舵を切ったところだ(関連記事:“意志ある踊り場”から踏み出すトヨタが育てたい“打者” )。
一方のマツダも2014年度(2015年3月期)決算は、売上高が前年度比13%増の3兆339億円、営業利益が同11%増の2029億円、グローバル年間販売台数が同5%増の139万7000台と好調を持続(関連記事:次期「SKYACTIV」は2016年度以降に採用へ、電動化技術で燃費をさらに15%向上 )。環境対応や自動運転など自動車産業が大きく変化しようとする中で好調2社により新たな自動車の価値を生み出していく方針だ。
“意志ある踊り場”から踏み出すトヨタが育てたい“打者”
トヨタ自動車が2014年度の連結決算を発表。売上高、営業利益、当期純利益ともに過去最高を更新するなど好調な結果となった。2014年度を“意志ある踊り場”と位置付けていた同社だが、代表取締役社長の豊田章男氏は「意志ある踊り場から実践の段階に入った」と語った。
3年振りに新工場を解禁へ、“意志ある踊り場”から踏み出すトヨタ
トヨタ自動車はメキシコでの新工場の建設と中国での生産ラインを新設すると発表。リーマンショック後の赤字転落により2013年から3年間は新工場を建設しない方針だったが、1年前倒しで解禁した。
次期「SKYACTIV」は2016年度以降に採用へ、電動化技術で燃費をさらに15%向上
マツダの好調さを支える大きな要因になっているのが、新世代技術「SKYACTIV」とデザインテーマ「魂動(こどう)−Soul of Motion」だろう。これらのうちSKYACTIVについては、さらに進化した「SKYACTIV GEN2」が2016年度以降に登場する見込みだ。電動化技術などを活用し、現行SKYACTIVよりも全社平均燃費をさらに15%高めることが目標になっている。
SKYACTIVエンジンは“理想の燃焼”に向けた第1ステップ
マツダの「デミオ」や「CX-5」など、次世代技術「SKYACTIV」を採用した新モデルの販売が好調だ。これらの車両の最大の特徴となっているのが、「SKYACTIVエンジン」による良好な燃費や排気ガス性能である。MONOistオートモーティブフォーラムでは、このSKYACTIVエンジンの開発を主導した、同社パワートレイン開発本部 エンジンプログラム主査の仁井内進氏へのインタビューを前後編に分けてお届けする。今回の前編では、SKYACTIVエンジンの開発の根幹を成す“理想の燃焼”に向けた取り組みについて聞いた。
先手を打ったマツダの製造業革命――真の“コンカレントエンジニアリング”がもたらす新しい価値
それは、生き残りをかけた究極のイノベーションであり、産業史にも残るものであろう。マツダが次の飛躍に向けて進める大胆な開発・生産プロセス改革の深層を追った。
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