次はマカロン制作です。まず初めはイラストデータ作りです。使用するのはiPadと無料の描画アプリ「Adobe Ideas」。出来たデータは全てaiファイル(Adobe Illustrator形式)に変換する必要があるとのことですが、このアプリを使えばiPad上で描いた絵もaiファイルとして保存できます。マカロン3つを製作するための枠があらかじめ描いてあり、子どもでも簡単に絵が描けます。実際、家族連れの参加も多いそうです。
写真やロゴを使っても作成できるということなので、「3Dモデラボ」ロゴのepsデータと、筆者が去年買ったオウムのマスクを着用した写真でチャレンジしてみることにしました。デザインはスタッフの方と相談しながら決定でき、写真などもその場でメールで送れば大丈夫です。スマートフォンの写真でも問題ありません。ただし、色は反映できず、aiファイルにする際全て白黒に加工されるので、「白黒でも見やすい画像」というのが条件になります。
データが3つそろったら、いよいよレーザーカッターの登場です! 使うマシンはTrotecの「Speedy 100」。FabCafeではフード専用として使用されているレーザーカッターです。FabCafeにはもう1台レーザーカッターがありますが、衛生面を考慮してフード専用とそれ以外に用途を分けています。マカロンの設置も、PCへの入力もスタッフの方に一任できます。印刷が開始されるまで5分ほど待ちます。
ノズルが動き出し、いよいよ印刷が始まりました! ――では「完成までコーヒーでも」……なんていう暇は全くなくて! ものすごいスピードで絵柄が浮かび上がります。3分もかからず、あっという間にオリジナルマカロンが完成。筆者の場合、デザイン選定に時間がかかってしまい、今回は1時間程度の作業になってしまいましたが、事前にデザインを決めていけば15分もかからないかもしれません。
さすがにオウムの写真は若干分かりづらいかもしれませんが、手描きイラスト分とepsデータは大変きれいに印刷できました。
「フード専用レーザーカッターで使ってはいけない食品はありますか?」と尋ねたところ、「印刷する食品には制限がありませんが、強いニオイが出そうなものは注意が必要です」とアドバイスを頂きました。過去に一度、スルメで作品を製作したことがあったそうですが、その時は店中に“あぶったスルメのニオイ”が充満してしまったとのこと……。フード専用レーザーカッターをマカロン以外で使用したいという方は、10分当たり800円で利用できる店頭当日予約プランか、事前予約で受け付けている45分間4000円のプランのいずれかに申し込めば、誰でも利用できます。利用者はデータと素材を持ち込めば、FabCafeスタッフが装置を操作してくれるので、初心者でも心配無用です。
初心者から上級者まで、年間多くのワークショップイベントが開催されるFabCafeですが、特にバレンタインの時期は、年間で一番バラエティに富んだ方々が訪れるシーズンということです。渋谷のギャルがマカロンFab体験にお店にやって来ては、レーザーカッターや3Dプリンタを見て「何これヤバい!」と最新機器を使ったモノづくりに驚いている……なんてシーンもよく見られるそうです。
「初心者でもこんなモノづくりができるんだ! と思うきっかけになる場所を作っていきたい」と語るロフトワーク広報の石川真弓さん。「お店に訪れたモノづくりのプロの方が、面白い作品を作っている方に、『一緒にワークショップを開きませんか?』と声を掛けることも。何か作っているお客さん同士が意気投合し、“新しいモノづくり”が始まることもよくあります」ということでした。
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