図研が2013〜2015年度(2014年3月期〜2016年3月期)までの3カ年を対象とした中期経営計画の進捗状況を発表。同社の電気CAD「CR-8000」シリーズの販売が好調であることなどが紹介された。
図研は2014年12月5日、東京都内で会見を開き、2013〜2015年度(2014年3月期〜2016年3月期)までの3カ年を対象とした中期経営計画の進捗状況と、今後の事業方針について発表した。2014年度(2015年3月期)上期(4〜9月期)の売上高は、前年同期比8.3%増の94億7900万円。営業損益は3700万円の損失。前年同期が海外事業への投資額の増大により1億7000万円の損失だったのに比べ大幅に圧縮された。なお2014年6月に下方修正した中期経営計画最終年度の目標数値については、今回は修正はないとしている。
会見に登壇した、図研 代表取締役副社長の勝部迅也氏は「中国と台湾を中心とするアジア市場での売り上げの低下などが影響し、予想していた数字は多少下回った。しかし、2014年度通期の売上高目標である223億円は達成できる地点に着地できたと考えている。2013年9月にシリコンバレーに開設した、『図研創造センター』を中心とする海外事業も順調に推移している。また、今後市場の拡大が見込まれるインドに支店の開設を行う方針である」と説明した。
事業分野別の国内における販売実績では、エレクトロニクス設計ソリューション分野の売り上げが好調だった。同分野の2014年度上期の売上高は、前年同期比12%増の約33億6000万円で、全ての事業分野の中で最大の伸び率となった。電装化が進む自動車産業から、電気CAD「CR-8000」シリーズの受注が堅調に増加したことが影響した。
CR-8000は、図研が2011年10月に発表した最新の電気CADである(関連記事:「ジョブズの思想を電気CADへ」、図研が設計プラットフォームを刷新)。これまで先代製品となる「CR-5000」と並行して販売を行ってきたが、2014年度第1四半期(4〜6月期)にはCR-8000の売り上げがCR-5000を上回り、順調にリプレースが進んでいるという。今後は、CR-8000の販売拡大に向けた体験型セミナーを推進するとともに部品情報管理システムへの需要を喚起していくとしている。
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