1835mmという全高によって得られる居住性やユーティリティ性の高さは、ウェイクの大きな魅力だ。しかし、その全高に対して、全長と全幅は一般の軽自動車であるミラなどと同じである。
設置面積が同じで全高が低いものと高いものを比べれば、転倒しないという意味での安定性は低いものの方が良い。一定以上の速度でカーブを曲がろうとしたら、他の車両で何の問題がない場合でも、ウェイクでは転倒してしまうのではないか。ダイハツ工業がウェイクを開発する上で最も重要視したのは、これだけの全高があっても他の軽自動車と同等レベルの操縦安定性を実現することだった。
そのために行われた取り組みは大まかに分けて3つある。
1つ目は、サスペンションやダンパーといった足回り部品の改良である。フロントアブソーバーロッドやリヤアブソーバーのシリンダーの直径を大きくして剛性を高め、ステアリングの効きや安定性を向上。車両横方向に掛かるロール挙動を抑制するため、新たなウレタンバンプスプリングや、ダイハツ工業の乗用軽自動車で最大径となるスタビライザーを採用した。
2つ目は、直進安定性を高める空力フィンの採用である。ドアミラーの付け根部分とリヤコンビネーションランプ横に設置した空力フィンによって、車両走行時の気流に小さな渦が発生する。この渦には、車体を左右から押さえつける効果があり、操縦安定性を高められるというわけだ。
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