メルセデス・ベンツ日本が6年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「Cクラスステーションワゴン」を発表した。車体の軽量化による燃費性能の向上や、運転支援機能の充実を図った。会見にはF1ドライバーのニコ・ロズベルグ氏も登場。
Daimlerの日本法人であるメルセデス・ベンツ日本は2014年10月1日、東京都内で会見を開き、新型「Cクラスステーションワゴン」を発表した。6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。同日より予約受付を開始し、2014年11月末から順次納車する。税込み価格は、排気量1.6l(リットル)の直列4気筒直噴ターボガソリンエンジン「BlueDIRECT」を搭載するモデルが442万〜573万円、排気量2.0lの同エンジンを搭載するモデルが559万〜724万円となっている。
会見に登壇したメルセデス・ベンツ日本 代表取締役兼CEOの上野金太郎氏は「新型Cクラスステーションワゴンのコンセプトは『アジリティ&インテリジェンス』。先代は4モデルのラインアップだったが、今回はオプションパッケージを廃止して7モデルに拡大した。現代の多様でアクティブなライフスタイルに応えるクルマになっている」とコメントした。
新型Cクラスステーションワゴンのボディシェル「アルミニウムハイブリッドボディ」は、アルミニウムの使用率が約50%で、そこに高張力鋼板などを組み合わせている。ベンツはこのアルミニウムハイブリッドボディの製造に、アルミニウムとスチールのコンポーネントを重ねて、高速でリベットを貫通させる「ImpAcT(Impulse Accelerated Tracking)」接合方式を採用。ドアやボンネットなど、外板パネルの素材の大半にアルミニウムを採用した。これにより従来モデルと比べて約75kgの軽量化を実現し、燃費性能を最大約20%向上させたという。
サスペンションには、新開発した4リンク式フロントサスペンションを採用した。走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させて減衰力を調整する、セレクティブダンピングシステムを搭載した「AGILITY CONTROLサスペンション」、エアスプリングと連続可変ダンパーを電子制御する「AIRMATICサスペンション」、AGILITY CONTROLサスペンションをベースによりダイナミックな運転を体験できる「スポーツサスペンション」の3種類が用意されている。
新型Cクラスステーションワゴンは、全てのモデルに運転支援システムを標準搭載している。フロントウィンドウの内側に設置された最長500mまでの距離をモニタリングできるステレオマルチパーパスカメラに加え、フロントとリヤバンパー側面に搭載した25GHzの短距離レーダー、ラジエータグリル内部に設置した77GHz帯の中・長距離レーダー、リヤバンパー中央に組み込んだ25GHz帯のマルチモードレーダーなど6個のレーダーを搭載した。
これらのセンサー類を利用して、周辺の歩行者やクルマを感知して緊急時にブレーキを自動制御する機能や、先行車両を認識して速度に応じて車間距離を維持するといった「部分自動運転」を実現する機能も充実させた。また、こうした運転支援システムの他、センサーを利用してリヤバンパーの下に足を近づけると自動でテールゲートの開閉が行える機能も一部のモデルに搭載している。
上野氏は「オフィシャルな情報はこれからだが、メルセデス・ベンツ日本の2014年9月における販売台数は過去最高となる約8000台で、同年1〜9月までの累計販売台数も約4万4000台となっており、とても好調。今回発表した新型Cクラスステーションワゴンの投入で、さらに勢いをつけていきたい」としている。
また、上野氏は2015年後半以降、Cクラスにクリーンディーゼル車やプラグインハイブリッド車を導入する方針も明らかにした。
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