組み込み機器向けミドルウェアを手掛けるユビキタスとLinuxディストリビュータのミラクル・リナックスが、Linuxベースの車載情報機器の開発に必要なソフトウェアの販売から技術サポートまでをワンストップで提供するために業務提携する。今後はBSP(Board Support Package)を投入し、2015年度中にもビジネスモデルを確立したい考えだ。
組み込み機器向けミドルウェアを手掛けるユビキタスとLinuxディストリビュータのミラクル・リナックスは2014年9月17日、Linuxベースの車載情報機器の開発に必要なソフトウェアの販売から技術サポートまでをワンストップで提供することを目的に、開発/販売に関する業務提携に合意したと発表した。
今回の業務提携では、ユビキタスのMiracastやDLNA関連といった車載情報機器に利用できるミドルウェアや高速起動ソリューション「QuickBoot」などと、ミラクル・リナックスの組み込み機器向けLinux OS「Embedded MIRACLE」を統合した上で、コンサルティングや技術サポートなどを含めたワンストップソリューションの提供を目指す。また、このソリューションについては、Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクト「Automotive Grade Linux(AGL)」(関連記事:Automotive Grade Linuxが開発成果を発表、リファレンスは「Tizen IVI 3.0」)に対応させる方針だ。これらの他、車載情報機器向けの技術に関する連携および共同開発、販売およびマーケティング協力など広範囲にわたる提携となっている。
具体的な製品としては、車載情報機器向けSoC(System on Chip、システムLSIとも)を搭載する開発ボードと、その開発ボードに最適化したLinux OSやドライバ、ミドルウェアなどをパッケージにしたBSP(Board Support Package)を投入する。そして、2015年度中にもビジネスモデルを確立したい考え。ユビキタス社長の佐野勝大氏とミラクル・リナックスの副社長で執行役員本部長の伊東達雄氏は、「その上で、車載情報機器に用いられる商用Linuxディストリビューションとしてトップシェアを目指す」と声をそろえる。
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