「設計を抜本的に変える」、クラウド利用で構想設計をもっと自由に米ソリッドワークスのプライベートイベントより(2/2 ページ)

» 2014年01月28日 17時21分 公開
[村尾麻悠子,MONoist]
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最先端の義足で走る、跳ぶ

 基調講演には、同社の3次元CAD「SolidWorks」のユーザーとしてMIT(米国マサチューセッツ工科大学) Media Labでバイオメカトロニクス(生体力学/生物力学)のディレクタを務めるHugh Herr氏が登壇した。

 Herr氏は、SolidWorksを使って義足「BiOM(バイオム)」を開発した。足首用の義足で、カーボン製の足底、ばね、モーター、電池などから成る。搭載されているセンサーが地面の固さなどを検知する他、装着しているユーザーが歩いているのか、走っているのかなどを判断するという。

「BiOM」の装着イメージ
BiOMの構造

 同氏は、趣味のロッククライミングの最中に事故に遭い、凍傷によって両足のひざから下を切断した。足を失ってもロッククライミングを諦めきれなかったHerr氏は、“本物の足のように反応してくれる義足を開発しよう”と思い立ったという。

 同氏は、BiOMを初めて装着する時について、「早い人だと数分でBiOMに慣れる」と述べる。

 課題もまだ残されている。「人間が動く時、筋肉や腱、関節など、身体がどのように機能しているのかが、完全には分かっていない。耐久性の問題もある。80年間、自分の足で歩き続けられるというのは、すごいこと。義足はどうしても点検や修理が必要になる。それは機械と人間の体の最大の違いだ」(Herr氏)。

「BiOM」を開発したHugh Herr氏。「BiOMを使えば背の高さ(足の長さ)も変えられます。背の高い女性とデートをする時は高くするといいかもしれませんね」と話して会場の笑いを誘っていた
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