日本GEは、同社本社内にオープンイノベーション拠点として「GE センター・フォー・グローバル・イノベーション」を開設した。日本の企業や大学、官公庁との技術連携を積極的に進めていく方針だ。同時に協業を視野に入れた「技術公募」も開始し、日本企業との連携強化に取り組む。
日本GEは2014年1月22日、新たにオープンイノベーションの中核拠点として「GEセンター・フォー・グローバル・イノベーション」を開設した。企業や研究機関、自治体など産官学における幅広い協業を促進し、イノベーションを作り出していく方針だ。また同時に「日本GE 技術公募 2014」を開始し、GEとの協業を視野に入れた日本企業との技術連携を模索するという(関連記事:GEが100年にわたりイノベーションを生み続けられる秘訣とは)。
GEは発明王トーマス・エジソン(Thomas Edison)が1892年に創業し、100年以上も数多くの分野でイノベーションを生み出し続けてきた企業だ。継続的なイノベーション創出のために自社での研究開発体制を充実させてきた一方で、外部との連携に積極的に取り組んでいる。今回の新拠点についてもこれらの流れの中から、より効果的な技術連携を実現するために生まれたものだ。
日本GE 代表取締役社長 兼 CEOの熊谷昭彦氏は「GEでは日本企業の技術力を高く評価しており、最近では日本カーボンとの炭化ケイ素連続繊維での協業が決まるなど、数多くの連携を実現している。新拠点により、さらにコラボレーションを円滑に行えるようにし、イノベーションにつなげていきたい」と語る。
同拠点では、コラボレーションを行うため、多彩な用途に対応した会議室やカフェコーナーなどを用意。さらにその中の設備では、GEのグローバル拠点とつなぎ、技術的な協業を推進する最新デジタル機器・ツールを用意している。例えば、海外や国内の研究開発拠点やオフィスを結ぶテレビ会議、電話会議システム、タッチパネル式の大型スマートボードにより、どの部屋からでもグローバルに点在する技術者とのコラボレーションが可能だ。
また、さまざまな技術資料や動画コンテンツを閲覧することが可能な専用ネットワークサーバも設置。アクティブかつスムーズな議論や情報交換が行えるようにしている。CADや3次元スキャナーなどが用意された部屋もあり、技術面で踏み込んだ議論を行うこともできる。
一方、シックスシグマ(関連記事:例題で理解する「そもそもシックスシグマって何だっけ?」)に代表されるようにGEが展開するプロジェクトマネジメント手法やリーン・スタートアップの考え方を取り入れた「ファストワークス」などを取り入れ、生産性の高い議論をする手法なども提供していくという。
GEグローバル・イノベーションセンター長の大塚孝之氏は「イノベーションには、プロセス、ツール、施設などが必要だが、最も大切なのは“人”だ。日本には素晴らしい人材が数多く存在している。またGEには30万人以上の従業員がいる。これらを結ぶ場として新拠点を活用していく」と話している。
なお、同拠点は経済産業省および日本貿易振興機構(JETRO)による「アジア拠点化立地推進事業」の採択事業となっている。
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