PLCopenは“PLCのアプリケーション開発の効率化”を目的として1992年に設立された第三者機関です。オランダにある欧州本部を中心に、北米、日本、中国に支部を置き、2013年の9月には韓国支部が新設されました(図1)。現在までに全世界で約100社のメンバーが会員登録しています。
日本においてはPLCopen Japanが2002年末から本格的に活動を開始し、オムロンを含むベンダー会員18社、エグゼクティブ会員1団体(技術支援機関)、ユーザー会員350人以上が登録しています(2013年10月現在)。
PLCアプリケーションの拡大とともに、そのプログラムはますます複雑・大容量になってきました。図2はFA(ファクトリーオートメーション)におけるコストの構成を示していますが、エンジニアリングコストは製造コストを上回っていることが分かります。
PLCopenはPLCのアプリケーション開発の効率化を実現するため、以下のような活動を行っています。
FBは文字通り「機能をもった箱」のことで、プログラムをカプセル化(部品化)したものです。これによって、実績のあるプログラムを使いまわす(再利用)ことが容易になります。
IEC 61131-3ではタイマ、カウンタなど使用頻度の高い汎用的な標準FBについて規定しています(図3)。
前述の通り、PLCopenのTechnical Committeesにおいては、モーションコントロール用のMotionControlFBや機能安全用のSafetyFB※2)を開発し、技術仕様書を公開してベンダー各社のプログラミングツールへのインプリメント(実装)を促しています。PLCopenのFBを実装し、認定された製品(ツール)には図4のロゴが貼り付けられているのでPLC選定の際の参考にするとよいでしょう。
これらの標準FBはベンダーに依存することなく動作が規定・保証されていますので、デバッグ時間の短縮はもちろん、設備・機械の品質向上にもつながります。また、仕様書がそろっているのでドキュメント作成やソースコードレビューの際にも役立ちます。
※2) MotionControlFBとSafetyFBの詳細については第4回、第5回にて紹介いたします。
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