2013年3月の段階で「抜本的再編が必要」として赤字解消に取り組んできたのが、「テレビ・パネル」「半導体」「携帯電話」「回路基板」「光事業」の5事業だ。このうち「テレビ・パネル」ではプラズマディスプレイの生産終了を今回決め、また「携帯電話」では個人向けスマートフォン事業の開発休止を発表している。さらに「光事業」では国内拠点を再編するなど、各事業でアセットライト化などに取り組んできた。
これらの5事業についても「まだ黒字化への道筋が見えていない事業がある」と津賀氏は話す。
「例えば半導体事業は、何を作って何を作らないかという見極めを進めているが、事業環境の厳しさは増している。当社の半導体事業はモノを作らないと駄目な事業構造であり、そこには人も必要になってくる。これらの状況を踏まえてありとあらゆる可能性を考えなければならない」と津賀氏は語る。
さらに新たな課題事業も登場したという。エアコン事業が中国事業の不振と為替が悪化したことにより赤字に転落。またデジタルカメラ事業も、スマートフォンの普及によりコンパクト機の市場が世界的に急減している影響を受け、赤字幅が拡大しているという。
同社では2014年3月期と2015年3月期を再編期と位置付けており、2016年3月期までに赤字事業の解消を目指している。そしてそのためには、事業によってはさらなる事業撤退なども視野に含む。津賀氏は「黒字化への道筋が見えない一方で、規模の大きな事業については撤退せざるを得ない」とさらなる事業撤退の可能性も示唆している。
家電業界では不採算部門の再編が進んでおり、パナソニックの他、NECがスマートフォンから撤退(関連記事:NEC、スマホ事業“前向き”な撤退――脱“モノ”売りを加速)。その他、東芝の欧州テレビ工場売却や富士通のマイコン・アナログ事業の売却など、事業ポートフォリオの再編が続いている。
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