日本代表の東大チームは、8月22日の前日練習の結果から、直線での伸びが足りないと判断。8月23日の本戦当日の前に、モーターを新しいものに交換することにした。もちろん、制御ソフトウェアの改良作業なども行っている。
8月23日は、開会式の後、中国代表を決定する準決勝を行ってから、9カ国の参加チームによる最後の練習走行を経て、本戦を開始するというスケジュールになっていた。
衝撃的だったのが、準決勝で中国代表に決まった北京科技大学チームのロボットカーの速さだ。東大チームを含めた8カ国の代表とは比較にならない、異次元のスピードを実現していた。それまでは、フリーダムボードを使用する米国代表のカリフォルニア大学バークレー校や、マレーシア代表のスインバン大学が順調な仕上がりを見せていたが、北京科技大学チームが一気に優勝候補に躍り出た格好だ。
それでは、各チームのロボットカーと、本戦の開始直前に公開された競技コースを併せて見ていこう。ロボットカーの写真は、本戦の走行順に並べている。
各チームは、この競技コースを1周する走行タイムを競う。2回のトライアルのうち、より早い走行タイムが記録となる。また、ゴールラインから3mまでの範囲内で停止できなければペナルティとしてタイムが1秒加算される。
それでは、レース結果を見ていこう。最初に走行したマレーシア代表は、1回目のトライアルでたたき出した17.60秒が記録となった。下馬評通りの実力を発揮した好タイムだったこともあり、2番目以降の走行順のチームに対して大きなプレッシャーになった。
2番目に走行した米国チームは、2回のトライアルとも、ゴールラインから3mまでの範囲内で停止できずペナルティを受けた。記録は20.54秒で、マレーシア代表に大きく差をあけられてしまった。
3番目は、EMEA代表のスロバキア工科大学チームである。同チームは、1回目のトライアルは低速で走行することによって競技コースをトレースし、2回目のトライアルではそのトレース結果を基により速い速度で走行するという戦略で競技に臨んだ。残念なら、2回目のトライアルは22.14秒という記録に終わったが、興味深い試みだったと言えるだろう。
4番目は優勝候補の中国代表である。本戦でもその実力をいかんなく発揮し、1回目のトライアルが14.97秒、2回目が14.89秒とダントツの記録を打ち立てた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.