和田氏 国際規格標準化の最新状況について教えてほしい。
青木氏 IECの国際規格になるまでには幾つかのステップがある。現在は最終国際規格案(FDIS)の段階で、チャデモ、米国向けコンボ、欧州向けコンボ、中国の独自方式「GB」という4つのEV用急速充電方式が含まれている。協議が終了する2013年10月ごろには、正式に国際規格(IS)として承認/発行されるだろう。
なお、IECでは、これらの候補規格の中からどれか1つに絞り込むのではなく、一定基準を満たしたものを全て承認する「カタログ方式」をとっている。実際にどの方式を採用するのかは、市場の判断に委ねるというわけだ。
和田氏 最近は、以前のような「チャデモvs.コンボ」という構図の報道は減った。チャデモ協議会として、コンボの現状をどのように見ているか。
青木氏 欧州では、2013年秋から、コンボ方式の急速充電に対応する「BMW i3」などのEVの販売を予定しているが、市場に導入される台数は限定的だと予想される。このため、コンボ方式のみの急速充電器を設置するのではなく、現在のマジョリティであるチャデモ方式の急速充電器に、コンボ方式の充電コネクタを付加させたデュアルアーム方式の設置が進んでいくのではないだろうか。その意味で、チャデモとコンボの関係は、競争ではなく協調に近い動きとなっている。
和田氏 今後のチャデモ方式の課題については、どのように考えているか。
青木氏 チャデモ方式の普及拡大を進めていく方針に変わりはない。ただし、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)は自動車市場全体で見ればまだまだ少数派なので、ぜひとも各自動車メーカーには市場への導入台数が増えるように頑張っていただきたい。それに伴って、急速充電器の普及にも弾みがつくと思われる。
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