教育機関向け3次元プリンタ パッケージ「Objet30 Scholar」は、3次元プリンタ本体、2年または3年分相当の造形材料、ウォータージェットなどをまとめて、通常の価格より割り引いて提供する。記事の後半で、ストラタシス・ジャパンの日本における具体的な販売体制について説明する。
3次元プリンタメーカーのStratasysの日本法人 ストラタシス・ジャパンは2012年12月19日、教育機関向け3次元プリンタ パッケージ「Objet30 Scholar」(オブジェット30スカラー)を発表した。このパッケージは教育機関限定とし、3次元プリンタ本体と併せ、2年または3年分相当の造形材料、ウォータージェット(水を噴射しサポート材を除去する装置)などをまとめて、通常の価格より割り引いて提供する。日本国内の受注については既に開始している。価格は2年間パッケージが498万円、3年間パッケージが648万円。
提供する装置本体のスペックは、「Objet30」とほぼ同等だが、積層ピッチや対応する造形材料が異なる。3次元モデルの入力フォーマットは、STL、SLC。
旧Objetは、既に全世界で多くの教育機関ユーザーを抱えている。米国では、ハーバード大学デザイン大学院、マサチューセッツ工科大学などに導入されている。Objet製品を既に採用している日本国内の教育機関は、以下(一部。五十音順)。
従来、教育機関が3次元プリンタを導入検討する場合、導入後のラーニングコストを懸念してちゅうちょしてしまうケースが多かったという。今後の同社はObjet30 Scholarを提供することで、教育機関に一層幅広くリーチしていきたいということだ。
「日本国内における旧Objetおよび旧Stratasys製品の販売については、ストラタシス・ジャパンが主体となり取りまとめていく方針であり、2013年中をめどに徐々に販売ルートを整備していく。これまで旧Stratasys製品を扱ってきたパートナー企業(代理店)とは、今後も引き続き密な連携を取り、良好な関係を築きながら製品を広めていきたい」と2012年12月12日、ストラタシス・ジャパンは発表した。今回の発表会当日、国内の販売体制に関して、同社代表取締役社長 エリック・ゴギー(Eric Goguy)氏からもう少し詳しく説明があった。
ストラタシス・ジャパンは、国内のパートナー企業(代理店)をディストリビュータおよびリセラー(英語は「Dealers」)に分け、取りまとめる体制だ(下図)。
ディストリビュータは、「独自でビジネス展開し、サービスおよび設置まで独自に対応する」企業であり、旧Objet製品を扱ってきたアルテックと旧Stratasys製品を扱ってきた丸紅情報システムズ(MSYS)が該当する。一方、リセラーとなるのは、「営業、サービス、設置について、ストラタシス・ジャパンもサポートする」企業。トヨタケーラム、キヤノンマーケティングジャパン、大塚商会の3社が担当する。
ディストリビュータ2社については、旧Objetと旧Stratasysの両方扱えることを目指し、近日中にトレーニングを開始。2013年1月には、新しい販売体制を開始する予定だ。
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