日産自動車などが出資するジャパンチャージネットワークは、神奈川県を中心とする電気自動車(EV)用急速充電器を有料で利用できる会員制サービスを始める。トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車などが出資する充電網整備推進機構も、同様の会員制サービスを立ち上げており、EV用急速充電器の利用料を有料化する動きが加速している。
日産自動車、住友商事、NEC、昭和シェル石油が出資するジャパンチャージネットワークは2012年9月4日、神奈川県内で会見を開き、電気自動車(EV)向けの会員制充電サービスを開始すると発表した。10月1日から、ジャパンチャージネットワークの会員であれば、神奈川県を中心とする関東圏内に設置されている50台のEV用急速充電器を利用できるようになる。
トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車などが出資する充電網整備推進機構も、同様の会員制サービスを立ち上げており(関連記事)、EV用急速充電器の利用料を有料化する動きが加速している。
ジャパンチャージネットワーク社長の武田二郎氏は、「EVを普及させるためには、充電サービスネットワークを充実させなくてはならない。それによって、既存のEVユーザーはより快適にEVを利用できるようになるし、これからEVを購入しようという方の不安も解消できるはずだ。当社は、EVユーザーの充電器利用に関する調査を基に、他にはまねできないサービスを提供する。また、他の充電サービス事業者との相互乗り入れも積極的に進めたい考えだ。2020年には、当社のサービスで利用できるEV用急速充電器の数を4000台まで増やしたい」と語る。
同社の充電サービスの特徴になるのが、1日24時間、1年365日対応できるコールセンターの設置である。充電器の位置検索や充電作業、認証の手続きなどについて、フリーダイヤルで電話できるコールセンターに連絡すれば、専任スタッフがいつでも対応するというものだ。「充電器は無人で運営されていることも多い。24時間対応のコールセンターの設置により、ユーザーの利便性を大幅に向上できるはずだ」(武田氏)という。
10月1日からジャパンチャージネットワークの充電サービスで利用できる50台のEV用急速充電器のうち、同社が管轄するのは22台。サービス開始に合わせて、同社が2012年2月の設立以降に実施していた試験サービスで利用していた神奈川県内の日産自動車ディーラが有する10台の他に、12台を新たに設置した。
この12台は、東日本高速道路のパーキングエリア(関越自動車道・三芳PAと東関東自動車道・湾岸幕張PAの各上下線)、成田国際空港第1ターミナルと第2ターミナル、神奈川県内のファミリーマート5店舗と、アレフが運営するファミリーレストラン「びっくりドンキー」1店舗に設置されている。
さらに、JX日鉱日石エネルギー、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油の4社が結成したEVサービスステーション・ネットワーク(EVSS)と、充電サービスの相互乗り入れについて合意している。先述した22台と、EVSSで利用可能なEV用急速充電器の28台(神奈川県内17台、東京都内9台、他2台)から、50台のEV用急速充電器ネットワークが構成されているわけだ。
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