日本テキサス・インスツルメンツ(日本TI)は2011年12月、−40〜125℃の温度範囲で同相除去比(CMRR)が標準100dBと高い差動アンプ「INA149」を発売した。入力可能な同相モード電圧は±275Vと高く、高い同相モード電圧が重畳した信号を高精度に測定できる。対象用途は、高電圧の電流センス回路の他、太陽光発電システムや通信機器、電気自動車、再生エネルギー関連機器の電圧モニター回路など。既に量産を開始しており、1000個購入時の参考単価は2.70米ドル。INA149の評価ボード「INA149EVM」も49米ドルで提供している。
INA149は、微小な差動信号の計測回路の設計に向け、業界で最も高い精度を実現したという。CMRRが標準で100dB、最小で90dBと高いので、総合的な計測精度を競合他社品と比べて2倍に向上できる。また、利得誤差は標準0.005%、利得変動は最大10ppm/℃、スルーレートは標準2.2V/μsとなっている。入力可能な同相モード電圧が±275Vと高いため、A-D変換回路とのインタフェースの絶縁に使う複数のアイソレータや電源部品を不要にできる。「部品点数の削減や、信頼性の向上、システム設計の簡素化に役立つ」(日本TI)。
その他の仕様は以下の通り。電圧利得は1、入力オフセット電圧は最大±1000μV、入力オフセットドリフトは最大±10μV/℃、小信号帯域幅は標準0.5MHzである。電源電圧範囲は4〜36V、静止電流は±0.775mA。パッケージは外形寸法が4.9×6mmの8端子SOICである。
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