Solid Edgeの板金加工向け機能をキャドマックが強化。各種3次元CADデータを多様なNC加工機向けCAMデータに出力可能になった。単一製品で各社加工機に対応できる。
シーメンスPLMソフトウェア(日本法人名はシーメンスインダストリーソフトウェア、以降、シーメンス)は2011年8月2日、板金用CAD/CAM製品を販売するキャドマックとの代理店契約締結を発表した。今後、キャドマックは同社Velocityシリーズの中核製品である「Solid Edge」の販売・サポートを行う。キャドマックでは「MACsheet」製品群として板金向け3次元CAD図面対応製品ACICSデータ向けの「MACsheet G4」やハイエンドベンディングシミュレータ「MACsheet BS32」などの製品を展開してきたが、今回、MACsheet G4のコアモデラーにSolid Edgeを採用した新製品「MACsheet SE-G5」を展開する。
Solid Edge自体も、排熱用ルーバやガセットなどをスケッチなしで設定できるなど板金加工に適した機能を持っているが、キャドマックのノウハウを取り入れることで、より現場寄りの機能を提供していくという。
具体的にキャドマック側が追加する機能としては、公差解析を自動的に実行し図面に反映させる機能、重ね合わせや突き合わせ部分の加工方法などが簡便に処理できる機能、板金加工ならではの検討ポイントの自動化を中心としたものだ。加えて、各種3次元CAD図面から各NC加工機向けのCAMデータ出力機能も提供する。
「板金用CAD/CAMシステムは、NC加工機メーカーがそれぞれ独自の製品を提供しているケースが多い。このため、複数の加工機を所有する場合、それぞれのメーカーが提供する製品を学習する必要があった。一方、キャドマックが従来提供してきたCAD/CAM製品は主要なNC加工機向けの出力が可能な点が特徴で、MACsheet SE-G5も同様の利便性を持った製品となる」(シーメンスインダストリーソフトウェア Velocity営業本部 本部長 森田勉氏)。
森田氏によると、海外ではCAD/CAMシステムの3次元化が進んでいる一方で、日本では加工現場の能力が高いことを背景にほとんど普及していないのが現状だが、最近では状況が変化しつつあるという。
「大手メーカーの設計が3次元CADに移行しつつあるため、サプライヤ側は3次元CADデータに対応する環境が必要になりつつある」(森田氏)。
両社は、海外市場への展開も進めている。国内市場ではMACsheet SE-G5としてバンドル製品を展開、海外市場ではシーメンスの現地販売代理店がSolid Edgeを、MACsheet SE-G5はキャドマックが輸出販売し、シーメンスの現地販売代理店がサポートを行う。
なお、MACsheet SE-G5は、2011年8月3〜6日に東京ビッグサイトで開催する「プレス・板金・フォーミング展(MF-Tokyo2011)」において、三菱電機/村田機械、コニック、相澤鐵工所、サルバニーニジャパンの各ブース内でデモ展示する予定。
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